逆襲の堕天使

 

 

 

俺があいつに完膚無きまでに叩きのめされてから、一週間が経過した・・・

 

その日・・・俺はいつものように学校を休んでいた。

 

あの日のアイツの拳が脳裏から離れなかった・・・

 

痛みを超えたダメージ・・・

 

死というダメージ。

 

息が出来ないという恐怖・・・

 

そして、何よりもこと喧嘩という舞台で無敗を誇っていた自分への失望感・・・

 

もし、あいつが俺を徹底的に叩きのめしたと言えばそこで、俺の地位は無くなる。

 

だから、どうしようもなく怖かった・・・

 

もちろん、親もさすがにそれ以上は黙ってなかった。

 

しかし、俺はそれでも登校する気にはなれなかった。

 

そんなある日、俺はあまりの退屈さに耐え切れずに外に出た。

 

通るのは俗に言う裏道・・・近道と呼ばれるルートだ。

 

この裏道は山を横切る為に人数は少ない。

 

だからこそ、この裏道にはもう一つの利用方法がある・・・

 

イジメたい者をそこに呼び出してイジメるという野卑な行為がそこには確かに存在した。

 

何せ、“俺や兄貴”も同じ目に会っている。

 

とはいえ、俺達は返り討ちにして今の地位を気付いているのだが・・・

 

逆に俺達とは正反対にイジメに負けてしまった者は延々といい鴨にされる。

 

俺がその鴨を発見したのは、偶然半分、必然半分と言ったところだろう・・・

 

俺が裏道を歩いていると聞きなれた声が聞こえてきたからだ。

 

「何か言いなよ・・・あんた。」

 

俺が聞いた第一声はそれだった。

 

少なくとも友好的なもの言いではない・・・

 

俺は直感的に悟った・・・

 

これは、イジメだと。

 

そして、その場所に赴いたのはその声の主が俺の下級生だったからだ。

 

四年生の石田 江美・・・

 

中学2年の兄を持ち、その兄にべったりで、なおかつ、その兄も妹にべったりといった典型的な嫌な兄妹だった。

 

しかも、親はPTA会長というお墨付きだ。

 

そして、この江美という女はクラス女子のリーダー的存在だった。

 

気に入らない者にはとことんまでやり尽くすとにかくいけ好かない女だった。

 

正確に言えば、こいつの兄だったのだ。

 

俺と兄貴にちょっかいを出したのは。

 

石田 憲司

 

俺が五年生になったばかりの時、この裏道でこいつを含めた中学生五3人組は俺達を半ば強引に呼びつけてリンチにしようとした。

 

結果は、俺達兄弟の勝ちだった。

 

向こうは三人とは言え、強いのは一人だけで、後の二人は腰ぎんちゃくだったので大した事は無かった。

 

だから、この江美も俺達には絶対に手を出してこなくなった。

 

そういう経緯で俺はクラスのリーダーにいたって訳だ。

 

正直、今の世代が聞けば笑うかもしれないが、俺の田舎ではそれが普通だった。

 

さて・・・

 

問題はイジメられてる“女の子”なんだが・・・

 

その名前は 阿部 璃子・・・

 

そう・・・一週間前に俺を叩きのめした阿部 健太の妹だ・・・

 

その妹は憲司達に囲まれた状況で江美に良い様に蹴られている。

 

その泣く様は見るに耐えない・・・

 

「・・・くそっ。」

 

今、思い返せば何故、そんな言葉が自然と漏れたのかは分からない・・・

 

それは、何故、健太の妹を助けなければならないのかという葛藤と、俺の目の前でその妹をイジメている江美達への怒りもあった・・・

 

「そのぐらいにしとけよ!オイコラァァー!!」

 

そんな声を上げながら、俺はその現場へ突撃した。

 

「りょ、亮!?」

 

驚いた連中の注意は全てこっちに向いた。

 

「な、何でお前が出て来るんだよ!」

 

焦燥感を漂わせながら憲司がそんな事を言ってきた。

 

この時の俺はどうかしてたと思う・・・それほどまでに頭に血が昇っていた。

 

「とっとと、失せないと殺すぞ!」

 

この言葉に連中は噛み付いた。

 

「恰好つけんなよ!」

 

その時の憲司の言葉はよく覚えている・・・

 

そして、その後の左拳に感じる相手のわき腹の感触も・・・

 

「がっ!!」

 

最初に倒れたのは憲司・・・わき腹を押さえてうずくまる・・・その様は健太に叩きのめされた自分を見ているようで腹が立った。

 

俺は顔面を狙ってきた憲司のがら空きのわき腹に左フックをお見舞いしたのだ。

 

俺が喧嘩の時に使う常用手段の内の一つだ。金的を狙うと相手は防御に徹してしまうので、それを鬱陶しく思った俺が考え付いた奇襲攻撃だ。

 

相手が普段、打たれなれてない箇所に渾身の一発をお見舞いする・・・

 

それが、俺の喧嘩のスタイルだ。

 

この奇襲攻撃が俺の代名詞と言ってもいい・・・

 

この一撃を受けた相手は全員、俺に挑もうなどという気を起こそうとはしなかった。

 

打った瞬間に相手はくの字に曲がって悶絶する・・・

 

その光景は見る者の戦意をも喪失させる。

 

「このクソ女!!」

 

俺は続いていけ好かない女に殴りかかった。

 

相手が誰であろうと関係ない・・・興味本位で人を傷つける輩にかける情けはない。

 

「ダッ!!」

 

俺の容赦のないストレートが江美の顔面を打ち抜いた。

 

この時の殴った感触もよく覚えている・・・

 

表現できない奇声を発しながら江美はうずくまった。

 

きっと、今まで殴った事はあっても、殴られた事は無かったのだろう・・・

 

“殴られた事の無い奴は相手に対する手加減をする事を知らない”

 

それが、俺の持論だった。

 

かつて、兄貴が当時から喧嘩ぱやかった俺を止めさせようとした時に言った言葉だ。

 

俺は殴られた事は沢山あった・・・

 

親父をはじめとして、兄貴やその同級生・・・

 

そして、先日の阿部 健太だ・・・

 

俺はその殴られる痛みを知っていながら、連中を殴ったのだ。

 

連中はごめんなさいと無様な鳴き声で連呼する・・・

 

それは、今までこいつ等がイジメてきた相手に言わせた言葉で、こいつ等が無視してきた言葉だ。

 

だから、俺も無視する事にした。

 

うずくまる憲司の腹にトーキックをお見舞いした。

 

今度は本当に血が出た。

 

咄嗟にかわそうとした憲司はデタラメな方向に向きを変えた為、顔面に直撃したのだ。

 

江美のやめてという嗚咽混じりの言葉が聞こえてくる。

 

しかし、それも連中が無視してきた言葉だ。

 

俺はその言葉を無視して無抵抗に徹していた残りの二人にも殴りかかってダウンさせた。

 

璃子も既に目の前に広がる異様な光景に泣き止んでいる。

 

今、この場所は異常な空気に覆われていた。

 

俺は・・・ただ単にこの連中で憂さ晴らしをしていたに過ぎないのだろう・・・

 

ただ、その醜く弱い心を誤魔化す為にとってつけたような言い訳を並べたに過ぎない・・・

 

制裁者ではなく腐れ外道な鬼・・・

 

その名こそが俺に相応しいだろう・・・

 

「よせ!殺す気か!?」

 

そんな、俺の腕を掴んで止めに入った奴がいる。

 

「お前・・・!?」

 

そう、俺を止めに入ったのはあの阿部健太だった。

 

「もうよせ!もう良いだろう!?」

 

阿部健太は俺の右腕をしっかり掴んでいる。

 

「・・・ふざけんなよ・・・テメェ・・・」

 

一週間前、お前は俺を完膚無きまでに叩きのめした癖に・・・!

 

油断しなければ俺が負けることは無い!

 

そんな醜い激情が俺の中に生まれつつあった。

 

俺の攻撃対象は既に切り替わっていた。

 

「・・・っ!」

 

俺は腕を振り解くとすぐに左ボディを狙った。

 

「ちっ・・・!」

 

奴の舌打ちと俺のボディブローが回避されたのは同時だった・・・

 

「ぐっ!?」

 

そして、俺の呻き声と奴の右カウンターボディフックが俺のあばらに見事に決まったのもそのすぐ後だった・・・

 

「ぐぇ・・・」

 

息ができない俺は情け無い呻き声しかあげられなかった。

 

「いい加減にしろ・・・」

 

俺を威圧してくる奴の声・・・

 

普段の俺ならば一週間前と同じくここで降参していただろう・・・

 

もっとも、俺の降参とは気絶という意味なのだが・・・

 

そして、何よりこの璃子の前でかっこ悪いところを見せたくなかった・・・

 

「どうやら璃子を助けてくれたみたいだが・・・攻撃してくるならお前は“敵”だ。」

 

その言葉はまるで子供の言葉とは思えない程の威圧感を備えていた。

 

次の瞬間、奴の右ローキックが俺の左スネに被弾し、その直後に奴の肘が俺の鳩尾に決まっていた。

 

「・・・お゛ッ!!」

 

俺は鳩尾を抑えたまま地面に沈んだ。

 

俺はこの時、本当に死ぬのではないかという錯覚にとらわれた。

 

「やめて!」

 

その時、今まで一言も叫ばなかった奴の妹が叫んだ。

 

二番目に驚いたのは誰だ?といえば奴になるだろう・・・

 

そして、一番驚いたのはといえば間違いなく俺になるだろう。

 

「お兄ちゃん!やめて!!」

 

璃子が奴の前に立ちはだかる。

 

「・・・・・・帰るぞ。」

 

奴はそう言って俺の前から姿を消した。

 

それは、俺の二度目の敗北を意味した。

 

〜疑心暗鬼〜

 

「・・・・・・そうか、先の戦闘におけるエンジェル隊の苦しみようの正体は空調への細工が原因か・・・」

 

俺は、整備班からの報告を聞き終わり通信を切った。

 

先のサマエルとの戦闘が終了した後、エンジェル隊は即座にエクレアが用意したという解毒剤を投与し、一命を取り留めた。

 

そして、問題は紋章機にあるというエクレアの指摘に従い俺はGA-002〜GA006、RA−002〜005の解体調査を命じた。

 

当然、紋章機の生みの親であるロキに要請をだそうと思ったのだが・・・

 

「な、なんだとっ?!」

 

格納庫は騒然とした空気に包まれていた。

 

「すまない・・・ロキ・・・」

 

タクトは申し訳なさそうに“かつての恩人”に詫びた。

 

「タクト・・・お前・・・」

 

事の発端はエクレアの一言だ。

 

「解体調査の指揮は私がとる・・・というより、ロキには一切、紋章機の解体にたずさえないでほしいわ。」

 

俺は、当然理由を聞いたのだが・・・

 

「理由?決まってるじゃない、今回の事態はロキが整備した紋章機の内部で起こっているのよ?それを知っていて彼に解体調査をさせる気?」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれよ!それじゃあ、ロキが紋章機に細工をしたとでも言っているようなもんじゃないか!?」

 

「ええ、そう受け取ってもらって構わないわ。」

 

エクレアの眼は冗談ではないと言っている・・・おいおい・・・

 

「ど、どうしたんだよ・・・エクレア・・・」

 

「どうかしてるのはタクトの方よ・・・いつまで、気付かないフリをしてるのよ・・・」

 

「・・・気付かないフリも何も・・・」

 

「タクト・・・貴方が見る夢はね・・・“未来の出来事と何らかしらの繋がりがある”のよ・・・例え、それが何の変哲も無い夢だったとしても・・・それは、確かに未来へのヒントになってるの・・・」

 

「エクレア・・・君が嘘を言わない娘だってのはよく分かっているつもりだ・・・でも、今回ばかりは分からない・・・本当に分からないんだ。」

 

「ゴメンね。今のあなたにはここまでしか言えないの・・・私は“自由”になったとはいえ、まだ完全に自由になった訳じゃないの・・・」

 

「???」

 

俺はますます混乱する。

 

「この戦いの決着がついた時・・・私にかけられた“制限”も完全に解ける筈・・・だから、その時に話すわ・・・タクトが知らない真実と“貴方が吹き込んだ欺瞞”をね・・・」

 

 

カタカタ・・・

 

ひたすらコマンドを入力する音がこのだだっ広いホールにこだまする・・・

 

ここは、HEAVENの最深部・・・

 

HEAVENの民はこの最深部をセントラルと呼称し、永久不可侵の場としていた。

 

何故なら、メタトロンの魂が封印されているのが、この地だからである。

 

かつて、死神とメタトロンはこのHEAVENの地で争った。

 

そして、メタトロンは死神に敗れ、外宇宙は隅々まで死神の鎌にかかり、多くの同胞が死んでいった・・・

 

しかし、HEAVENの民は信じた・・・

 

メタトロンの再臨を・・・

 

故に、HEAVENの生き残りの民達により、このセントラルにメタトロン再臨の儀を行う場が設けられた・・・

 

彼らはメタトロンがただのデストロイヤーだと知っていながらこの場を設けた・・・

 

それは、彼等が己の命よりも大事なものを優先してのことだった・・・

 

分かるだろうか?

 

つまり、彼等は己の命よりも死神への復讐の方が優先だと判断したのだ。

 

それは、ある意味恐怖である・・・

 

どこの世界にたった一人の罪人の為に己の世界を見捨ててまで復讐を果たそうとする者がいようか・・・?

 

「シャイニング・スター・・・」

 

そして、その中心人物がここにいる・・・

 

いや、もはや堕天使と呼んだ方が正しいだろうか・・・

 

その堕天使が見ているのは過去のタクトとレイのヘパイストスでの決戦の記録だった。

 

この記録は“ガブリエルの協力者”が提供してきたものである。

 

「シャイニング・スター・・・接近するまでの速度やゲートアウト(瞬間移動)・・・そして、非の打ち所のない近接用兵器の性能・・・」

 

過去の映像はシャイニング・スターがスレイヤー・オブ・デステニーを呼び出したところを映し出した。

 

「そして、何よりも・・・パイロット タクト・マイヤーズが引き起こす“奇跡”・・・その奇跡の前にあの死神も敗れた・・・」

 

そう・・・だからこそ、オメガの調整はシャイニング・スター用に施されていた・・・つまり、死神のアルフェシオンよりもタクトのシャイニング・スターの方が強敵と判断したのだ・・・

 

だが、それが間違いだったとガブリエルは改めて気付かされた・・・

 

死神はわざと負けたのだということを・・・

 

タクトとの決戦時、アルフェシオンのインフィニはフルドライブしていなかった・・・

 

それも、死神が意図的に制御をかけていた・・・

 

今、映し出されているのはガブリエルがEDENへ進行している合間に協力者が置いていった最新の“情報”である・・・

 

ヘパイストスの中でインフィニが暴走し、アルフェシオンが爆発しようかとするその瞬間、突如“もう一機のアルフェシオン”が出現し、レイのアルフェシオンの暴走をいとも簡単に沈静化したのだ。

 

つまり・・・あの時、レイは死んでいなかったということになる・・・

 

そして、レイを救出した者がインフィニの暴走をいとも簡単に沈静化できる化け物である事も・・・

 

「ふ、ふふふ・・・そうか・・・そういう事か・・・」

 

その時、ガブリエルは何かに気が付いた。

 

「レイの言っていた作者という意味がうっすらとではあるか、わかってきたぞ・・・」

 

この世界は・・・

 

この世界は一人の監督が多くの役者を動かして成り立っている・・・

 

そして、おそらくはこの私もその役者の中の一人なのだろう・・・

 

悲劇の復讐者・・・それが私に与えられた役割なのだろうか?

 

そして、今頃になって真相を私に明かしたという事は・・・

 

私を見捨てたのか・・・

 

もしくは、私にメタトロンを起動しろと促しているのか・・・

 

私はその両方を信じる・・・

 

例え、見捨てられても、見捨てて無くても・・・

 

私の行動に変更点は無い・・・

 

メタトロンの起動は何としてでも成功してみせる!

 

どんなものを犠牲にしてでも復讐だけは必ず果たす・・・

 

それが、HEAVENの民の総意だ。

 

だからこそ、私は天使長に選ばれた。

 

ミカエルの妹でありながら最弱と罵られた私を・・・

 

そして、私自身があの死神に何としてでも成し遂げたいと思っているのだ。

 

「ふ、ふふ・・・ふははは・・・」

 

死神・・・このオメガが只のダミーだ等と思うなよ・・・

 

このオメガこそがメタトロンを起動させる為に必要なのだ・・・

 

連動ユニット・・・Ω

 

「もうすぐ・・・もうすぐだ・・・私達の悲願が達成されるのも・・・」

 

その名前は最後、最終を意味する言葉だ。

 

〜決戦前夜のため息〜

 

「え、EDENに戻る?」

 

ここは、艦内のタクトとミルフィーユの部屋・・・

 

そして、部屋の訪問者はロキ・・・

 

「ああ、外宇宙の連中がEDENに仕掛けてくる可能性は非常に高いからな・・・」

 

現在、ミルフィーはここにはいない。相変わらず、シリウスにつきっきりだ。

 

だが、今はそれが幸いしている。

 

「それに、俺がここにいればエクレアとて動きにくいし、エンジェル隊のテンションにも影響を出しかねない・・・」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ、、紋章機のエンジンは今やアンフィニになったからテンションに影響されないんだろう?」

 

「はぁ〜・・・分かっちゃいねぇなぁ〜・・・」

 

「な、何がさ・・・」

 

ロキは深くため息をつくと煙草を取り出して火をつけた。

 

「俺もこいつ(煙草)を止める事ができねぇなぁ〜・・・」

 

「お、おい!?」

 

「・・・・・・戦いの勝敗を分けるのは紋章機の性能よりもパイロットのテンションだ。」

 

「え・・・」

 

「いかに高性能な戦闘機といえど、パイロット自身のテンションが低ければその性能を十分に活かす事はできない・・・それはからっぽと何ら変わらない・・・そして、お前達は紋章機の性能だけで戦い抜いてきた訳ではないだろう?」

 

ロキの目がそうだろう?と聞いている・・・

 

「あ、ああ・・・そうだな・・・」

 

「じゃあ・・・ミルフィーとリコをよろしく頼んだぜ・・・」

 

そう言いながらロキは部屋を後にした・・・

 

何だろう・・・胸がざわざわする・・・

 

その後、俺達は二日間の旅を続け・・・ようやく、HEAVENへ辿り着いた・・・

 

 

 

奴に倒された俺は体をひきづリ気味に家へ辿り着いた・・・

 

幸い、あいつ等は後を追ってこなかった。

 

そして、家へ着くと口に血痕を残し、腹を押さえていた俺を見たお袋は心配し、何があったのかと聞いてきたが、俺は転んだとしか言えなかった・・・

 

その晩のことだった・・・

 

「亮、お友達よ〜。」

 

お袋が珍しい事を言ってきた。

 

俺には4人の友人がいたが、誰も俺の家に近づく者はいなかった・・・

 

それは、俺の親父を恐れての事だった・・・

 

俺の家は町営住宅で、親父の暴虐ぶりはこの辺では知らない者はいない程だった。

 

だから、てっきり、俺のお見舞いにでも来たのかと思い、玄関へ降りていった・・・

 

「・・・えっ!?」

 

俺は思わず声をあげた。

 

「あ・・・」

 

確かに訪問者は俺を見舞いにきた・・・

 

しかし、訪問者は男ではない・・・

 

訪問者は・・・

 

「亮・・・可愛い女の子ね。」

 

と、お袋が余計な事を言った為、気まずさが増々アップした・・・

 

ほんと・・・今でも、あの時の気まずさを忘れた事はない・・・

 

「ち、散らかってるけど・・・」

 

「う、うん・・・」

 

俺はギクシャクしながらその訪問者を招き入れた・・・

 

本当は彼女とは玄関で住む話だったのだが、お袋の上がっていきなさいの一言で事態はややこしくなったのだ・・・

 

訪問者は阿部 璃子・・・

 

そして・・・彼女はお世辞抜きに可愛かった・・・

 

それは幼げな等の比喩の可愛さ等ではなく、本当に美しい意味での可愛さだった・・・

 

そう・・・

 

俺は、一目見ただけで璃子に惹かれてしまった・・・

 

だからあの時、璃子の前で恰好悪い所を見せたくはなかったんだ・・・

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

お互いに何も喋れなかった・・・

 

いや、本当に気になる異性を目の前にした時、俺は全くダメになる・・・

 

どうしたもんかと考えていた・・・

 

しかし、先に口を開いたのは彼女の方だった・・・

 

「あ、あの・・・」

 

「あ、あぁ・・・」

 

「あ、ありがとう・・・古牙君のおかげで助かった・・・」

 

「い、いや・・・まぁ・・・その・・・」

 

俺は照れくさすぎて何も言えなかった・・・

 

「でも、ごめんね・・・」

 

「え・・・」

 

最初はどういう意味かよく分からなかったが、それが健太についての事だと分かるのにさほど時間は必要としなかった・・・

 

「お前があやまることじゃないだろう・・・」

 

「ううん・・・そんなに酷い怪我をさせちゃったんだもん・・・謝っても許されないよ・・・」

 

鏡を見てないので分からないが、実は何気に酷い怪我をしてるのか?

 

あいつからは二回しか殴られてない筈なんだが・・・

 

彼女が本当に心配そうに俺の顔を覗きこんでくるので、俺は鏡を見ることにした・・・

 

「・・・ん?・・・って、オイオイ・・・」

 

そして、絶句した・・・

 

俺の頬には身に覚えのない内出血の後があった。

 

「まじかよ・・・いつの間に・・・」

 

どうやら、あいつが俺を殴った回数が二回以下でない事は確からしい・・・

 

「痛くないの・・・?」

 

「・・・言われてみると何かズキズキするとは思っていたけど・・・まさか・・・ここまでとは・・・」

 

「ごめん・・・」

 

「い、いや・・・だから良いって良いって・・・」

 

そんな半泣きな顔で言われたら、許さないなんていえないじゃねぇかよ・・・

 

「・・・一つ聞いてもいい?」

 

その迷いを知らない真っ直ぐな瞳には正直、くらっとしそうになるほど綺麗だった・・・

 

「ど、どうぞ・・・?」

 

「どうして、お兄ちゃんの事を嫌ってるの?」

 

「あ・・・」

 

鈍感鈍感と言われてる俺でも気まずい質問の意味は良く分かる・・・

 

「そ、その・・・」

 

どうしよう・・・正直に格好良くて、スポーツ万能で勉強もできるから自分のクラスでの立場が無くなると思ったから等と言ったら、あまりの幼稚さに彼女は幻滅するだろうか・・・

 

「・・・?」

 

彼女がどうかした?と優しく微笑んでくる。

 

そう・・・彼女は他人の気持ちにとても敏感だった・・・だから・・・

 

「ごめん・・・今の話は無しにしよう。」

 

「え・・・!?いや、その・・・」

 

俺が彼女の優しさを知ったのはこの時だった・・・

 

俺は、本当に単純で馬鹿な男だ・・・

 

だから・・・

 

嫌われてもいいから・・・

 

俺は彼女に正直に打ち明けた・・・

 

嘘つけ・・・彼女ならそれすらも許してくれると思っただけだろう・・・

 

俺は常に見返りを計算する奴じゃないか・・・

 

そんな俺が何を今更・・・

 

 

どもりながらも俺は大体の全容を彼女に伝えた。

 

「・・・わ、わりぃ・・・どっちかと言えば俺が悪いと思う・・・・・・多分。」

 

「ふふ・・・あははは♪」

 

「へ・・・へ?」

 

何を思ったか彼女は無邪気に笑い出した。

 

「あはは・・・多分じゃなくても悪いわ・・・古牙君もお兄ちゃんもね・・・」

 

「????」

 

そして、彼女が笑いやんだのは約2分ぐらいのことだった・・・多分・・・

 

「ごめんごめん・・・」

 

「い、いや・・・」

 

いや本当にお前、少し笑いすぎだ・・・

 

「ねぇ、明日私の家に来ない?」

 

「え!?」

 

「お兄ちゃんと仲直りしよう!?」

 

おいおい・・・それこそ、今度はシャレにならない程のどつき合いになるぞ・・・

 

「い、いや・・・さすがにそれは遠慮しとくよ。」

 

「でも、暇なんでしょう?」

 

「そ、そうだけどさ・・・」

 

「家にくればお兄ちゃんへの悪い印象が変わるわよ・・・ああ見えて、結構可愛いんだから・・・」

 

はは!もし、本当にそうだったら大爆笑してやる!

 

「だから、来て!お願い!」

 

大袈裟に拝む彼女の可愛らしさに俺が首を縦に振ったのは言うまでもない・・・

 

本当に女たらしだ・・・

 

実は次の日は土曜日で午前中授業だったのだ・・・だからこそ、彼女は俺を誘ったのだそうだ・・・

 

そして、彼女が俺の家から帰ろうとした時、俺はもっと彼女と話したいと思い、ついついある要求をしてしまった。

 

「なぁ、俺のこと名前で呼んで良いから、お前のことを璃子と呼んでも良いか?」

 

「うん、いいよ。」

 

はや!と今の俺はそう思っている・・・それによ〜く思い出してみればこれって男から言う事じゃないよなぁ・・・?

 

そして、俺はいつものように授業を休んだ後、家の中で璃子を待つことにした。

 

「亮君〜」

 

午後の一時頃、聞きなれない綺麗な声が俺の名前を呼んできた・・・璃子だ。

 

「おっと・・・」

 

俺は靴を穿いてドアを開けた。

 

「わりぃな・・・ん?」

 

俺は璃子がランドセルを背負っているのに気が付いた。

 

「もしかして、学校からそのまま来たのか?」

 

俺達の学校は海側にあり、そこから山側目掛けて町が広がっている・・・

 

「うん、だって私の家は五区の方にあるから・・・」

 

簡単に俺の町を紹介すると町の西と東が山に挟まれていると過程した場合、北に海、南に山となる。

 

まず、海側ぞいには国道が通っており、この国道が唯一の交通機関となっている。ちなみにバスは一時間半おきという本数の少なさだ。

 

そして、学校は海の近くにあり、ここを一区と呼称している・・・そして、通学路を山に向かっていくと二区と三区を通る・・・そして、町営住宅を構えた区域を四区と呼称している。ここが、俺の住まいだ。

 

そして、最後が五区・・・本当に住宅と田畑しかない区域・・・その奥にはダムと隣の村へと繋がる山道がある・・・

 

健太と璃子が住んでいるのはこの五区になる。

 

この二人は五区に新築の洋館を建てた。

 

だから、すぐに話題になった。

 

そして、二人の顔立ちが良いという事も合わさって・・・

 

ただでさえ、小規模な小学校だ・・・

 

噂になるのにさほど時間を要しはしなかった。

 

「さて・・・行こうか・・・乗れよ。」

 

俺は当時は高級品だった切り替え式自転車の後部座席を指差した。

 

「ふ、二人乗り・・・危ないし、先生も駄目だって言ってたよ?」

 

「大丈夫だって、俺の腕を信じてくれよ。」

 

俺は半ば強引に彼女を後部座席に乗せた。

 

「よ〜し、いくぜ!」

 

俺はペダルを漕ぎだす・・・

 

普段は友人連中を乗せているので、改めて彼女が軽いという事を思い知らされる。

 

「あ、危ないよ!」

 

「大丈夫!大丈夫!!」

 

そんなやり取りを繰り返しながら俺は彼女の家へと着いた。

 

「嘘つき・・・亮君の馬鹿・・・」

 

と彼女は少し拗ねて批難してきたが、最後まで降ろしてと言わなかった辺りが、可愛かった。

 

駄目だ・・・やはり、俺・・・こいつ達にはかなわねぇわ・・・色々な意味で・・・

 

「お母さ〜ん、亮君を連れてきたよ。」

 

「よく来たね〜亮君。」

 

「い、いや・・・お邪魔します・・・」

 

いやはや・・・子も子なら親も親だ・・・

 

家のお袋とは違って璃子のお袋さんも璃子に劣らずに綺麗だった。

 

俺は何か、別の世界に来てしまったのではないかと思ってしまう・・・

 

「あがって、あがって、後でお菓子持って行くから璃子の部屋で待っててね。」

 

お、おいおい・・・

 

「うん、ありがとう・・・お母さん。」

 

おいおいおいおい・・・

 

この時の俺はまだ女の子の部屋に入った事がなかった・・・だから、正直言うとすんごくドキドキした・・・

 

というか璃子って意外な所でオープンなところがあったなぁ・・・

 

「お、おじゃまします・・・」

 

彼女の部屋に入る際、ついつい条件反射でそんなかたっ苦しい挨拶をしてしまった。

 

「?」

 

彼女は一度だけ俺の方を見返して部屋のテーブルに正座して座った。

 

そう、彼女は何かと行儀正しかった・・・

 

まぁ、これには理由があったのだが、それはまた次の機会に説明しよう・・・

 

彼女の部屋はフローリングの床にいかにもと言った女の子らしい机とベットが置かれていて、部屋の隅にはおままごとグッズと猫のぬいぐるみが沢山置かれていた。

 

「ね、猫が・・・好きなの?」

 

「うん、お兄ちゃんも猫が好きなんだよ。」

 

ブッ!

 

良かった・・・何も飲んでなくて・・・

 

「それ、本当かよ・・・」

 

「嘘じゃないよ・・・あ、そうだった・・・」

 

璃子は何かを思い出したような顔をして立ち上がる。

 

「な、何?」

 

「亮君、お兄ちゃんの部屋に行こう。」

 

「・・・あ、そうだったな・・・」

 

そう・・・今回の目的はあいつとの仲直りだったんだ・・・

 

しかし・・・アイツとどう仲直りしろと言うんだろうか・・・

 

俺がこれ以上気まずいことは無いと思わされたのが、この時だった・・・

 

「お兄ちゃん、入っても良い?」

 

「ああ、亮も一緒か?」

 

「・・・っ!?」

 

本当に何と言うか・・・こいつは生涯鋭い奴だった・・・

 

「うん。」

 

そう言って、璃子はドアを開けた。

 

こいつこと健太の部屋は小学五年生らしからぬ本の部屋だった。

 

本は本でも図鑑や参考書・・・そして、俺には生涯縁が無いと思っていた数学辞書・・・

 

プラモだらけの俺の部屋とは偉い違いだった・・・

 

「・・・お邪魔してるぜ。」

 

俺はあまりの気まずさにぶっきらぼうな声であいつに挨拶した。

 

「やれやれ・・・」

 

とあいつがため息をついたのが、俺には癪に障った・・・ところが次の一言が俺とこの兄妹との関係の始まりを告げた合図だったと俺は思っている。

 

「悪かった。」

 

「は・・・はぁ!?」

 

何を思ったか健太が俺に謝ってきた。

 

まぁ、謝ったと言ってもほんの一言だけだが・・・

 

「・・・・・・い、いや・・・こっちも全面的に悪くないとは言えないけどよ・・・」

 

「・・・・・・そうかよ・・・」

 

「はい!じゃあ、二人共これで仲直り成立だね!」

 

璃子はやけにハイテンションな声でそんな事を言った・・・そして、彼女の全てを知ってる今の俺になら分かる・・・彼女は本気で喜んでいたのだと・・・

 

全てを知っている?

 

自惚れるな・・・だからこそ、お前は大変な過ちを犯したのだ・・・

 

取り返しのつかない大罪をな・・・

 

「そ、そうなのか・・・?」

 

俺は本当にこんな一瞬で仲直りできるものなのかということばかり考えていた。

 

この時のことは強く印象に残っているのでよく覚えている・・・

 

その後、俺は健太から昨日の石田兄妹の件について、説明された。

 

健太の話の中だけになるのだが、俺を叩きのめした後、健太は璃子を途中まで送り、引き返してきたのだそうだ・・・

 

途中で遠くから腹を押さえながら帰っている俺を見つけたが、自分が張本人だということで、気まずかったのでそのまま石田達のところまで走っていった・・・

 

要は石田兄妹の親がPTA会長であり、大の親馬鹿だった事を知ってた健太は口封じをしたのだ。

 

事が、親に知れれば大事になると踏んでいた健太は石田達にもし今回の事を話せばお前達の“イジメ”のことも同時にバレると脅しかけた。

 

そして、石田達もどうやら俺に殴られた事でかなり懲りたみたいで、今後はイジメはしないと健太に誓ったそうだ。

 

この件についてはあまり触れてないが、本当は自分達を叩きのめした俺を一瞬でKOした健太に恐怖したのだと思う。そして、中学生だった憲司(石田兄)は先回りして自分達に釘をさした健太に脅威したのだろう・・・でない限り、素直に人のいう事を聞く連中ではなかった。

 

とにかく、この日俺は璃子の部屋でおままごとに付き合い、夕飯前に家に帰った・・・

 

今回はここまでにしておくとしよう・・・

 

 

〜逆襲の堕天使〜

序章

 

「ふ、ふふふ・・・遂にここまで来たか・・・」

 

どうやら、タクト達はあのサマエルから生き延びてここを目指しているらしい・・・

 

本当に大した奴等だと言いたい・・・

 

この私にここまで殺したいと思わせたのだから・・・

 

既にメタトロンは稼動準備へと入っている・・・

 

私は主力部隊のみを残し、後は“作者の指示通り”“ヤツ”にくれてやった・・・

 

カルマと名乗っていた“子供”に・・・

 

作者が言うにはこれでメタトロンは稼動するらしい・・・

 

後は、メタトロンとカルマの相性がいいかどうかだ・・・

 

メタトロンは混沌そのもの・・・

 

それをコントロールできるのは神皇とも呼ばれていたカルマのみ・・・

 

しかしそれ故、メタトロンの攻撃力とエネルギーの貯蔵量は無限大・・・

 

稼動と同時にカルマの意思に関係なくこの宇宙を塵と化し、過去へと旅立ち全てを無へと帰すだろう・・・

 

かつて、ロキの星を焼け野原にした時のように・・・

 

その実力は死神のメシアと互角であり、その目的は似て異なる者・・・それ故にHEAVENの民は復讐の為に己達をも焼き尽くすメタトロンを稼動させる為の手段を探し続けた。

 

過去の死神のメシアとの戦いでメタトロンは敗れ、混沌の闇で眠りについた・・・

 

メタトロンの稼動には絶対なる条件がある。

 

それは、メタトロン反応するものを彼に見せ付けなければならない・・・

 

メタトロンは形ある者を滅ぼす為だけに稼動する天使・・・

 

ならば、形無き者であるHEAVENの民がメタトロンを稼動させる為にはどうすればいいのか?

 

答えは・・・強く猛々しくどす黒い思念・・・

 

生前のメタトロンが死ぬ間際ま呪い続けたのが、争いを止めぬ人の業と・・・彼を焼き尽くした人の復讐心が生んだ核である。

 

それ故に、メタトロンは人が放つ黒い念に過剰に反応し、そこから優先的に殲滅してきた。

 

お分かりだろうか?

 

HEAVENの民は己の命よりも死神への復讐を優先する習性がある・・・

 

ならば・・・

 

彼らはどんな手段を用いてもどす黒い念を集めようとするだろう・・・

 

そう、どんな手段でも・・・

 

自分の命などに興味が無いのがHEAVENの民の特徴だ・・・

 

神から与えられた任務は絶対無比・・・

 

それ故に、そこにしか生きる価値を見出さない・・・

 

・・・・・・

 

天使とは本来そういう生き物だと俺は思う・・・

 

なぁ・・・あんたならこいつ等をどう思う?

 

自分の命を放り出してまで神に従う民を見てあんたはどう思う?

 

一匹の人間の言葉で常識外のことをしようとしている連中を見てあんたならどう思う?

 

俺は・・・すごく滑稽に見える。

 

人は自分で考える事が出来てこそ人であり、生きる価値があるものなのだ・・・

 

だから、俺は決めた・・・

 

HEAVENの民に生きる価値などない・・・

 

だからこそ、こいつ等の望み通りにメタトロンを稼動させてやろう・・・

 

そして、自ら解き放った煉獄に焼き尽くされるがいい・・・

 

俺は最初に言ったと思うぜ・・・

 

この世には絶対に分かり合えない者がいるって・・・

 

そう・・・この俺がタクト・マイヤーズと分かり合えないのと同じように・・・

 

あまりよく覚えてないが、俺は言った筈だ・・・

 

俺は主人公であり、作者だってな・・・

 

だからこそ、物語の結末もこの俺の思い描いたものになる・・・・・・筈だった・・・

 

たった一人の例外を除いては・・・

 

タクト・マイヤーズ・・・

 

この俺を殺人鬼に変えるきっかけを作った憎んでも憎んでも憎み足りない男・・・

 

楽には死なせたくない・・・

 

だから、今日まで生き延びさせてきてやった・・・

 

殺したいのをぐっと堪えて・・・

 

だが、楽しみもあった・・・

 

俺の余興の世界を信じて、俺が用意した奇跡とも知らずに戦い抜くあいつの姿は何とも醜悪で滑稽で愉快だった・・・

 

だが、それも今度の戦いで終わりだ・・・

 

既に命令は出してある・・・

 

好きなように料理しろと・・・

 

タクト・マイヤーズよ・・・

 

今度は奇跡など起こりはしない・・・

 

この俺の世界では俺の用意したシナリオこそが絶対なのだ・・・

 

それが例え、お前が何兆分の一の確率の奇跡を起こしたとしても結末は覆らないぜ・・・

 

さぁ・・・戦うがいい・・・

 

最強の天使を倒せるものならばな・・・

 

 

 

 

 

 

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