・終幕

 

ラグナロク

 

EDEN、NEUEが誕生する前の太古の世界・・・

 

かつて、この世は

 

天界、地上界、冥界の三つで成り立っていた。

 

その世界は神界と総称され

 

そこでは数々の秘術が存在した。

 

そして神界を治めている神々が存在した。

 

天界ことエリュシュオンを治めていたのは

 

神皇の右腕と言われた黄金の騎士こと

 

神王 アバジェス・・・

 

冥界ことタルタロスを治めていたのは

 

神皇より独立した唯一の存在である

 

冥王 ハデスこと現のレイ・桜葉・・・

 

そして、地上界を治めていたのは

 

この世全ての創造主 因果律の端末である

 

二代目神皇 ロキ・・・

 

神界には終末の日が約束されていた。

 

終末の日 ラグナロク・・・

 

神皇に選ばれた者のみが生き残るとされた約束された選定の日・・・

 

かつて、この世界に迷い込んだタクトは神王と神皇を打ち破り、生存の資格を勝ち取った・・・

 

桜舞う中でタクトは神界より脱した。

 

その後、俺と馬鹿女は黄金の紋章機 ラグナロクへ搭乗し、天敵との戦いへと乗り出した。

 

天敵は全ての創造主・・・

 

この世界の作者である。

 

神界戦争の始まりは奈落の底からであった。

 

一度、地獄に堕ちた筈のあの者が舞い戻り、その真の姿をさらしたのだ。

 

その姿は神王が四聖獣を従え、その力の恩恵を預かり、強力な魔力を維持するのと同じように・・・

 

その者は従えていた“四大天使”の力を強制的に吸収し、只でさえ無限大のキャパシティを更に強力にした。

 

翼を生やしたその歪なその姿は悪魔のようであり、天使のようでもあった。

 

そして、神界戦争が始まった。

 

天敵はその無限大のキャパシティで尽きる事のない物量線に出て、俺は対照的に奴には縁の薄い技で勝負をかける。

 

奴が振り回す魔剣は周囲の星を次々と真っ二つにしていった。

 

その星々が例え、己が創り出したものであろうと奴はそんな事など何の気兼ねも無しで破壊していった。

 

奴を一言で呼称するのであれば

 

破壊神

 

だろう。

 

しかし、奴は神でありながら神ではない。

 

神にはそれぞれ級(クラス)が割り振られている。

 

ゼウス等の十二神達は下級神と呼ばれ

 

クロミエこと青龍達、四聖獣は中級神と呼ばれ

 

それらを統治するのが神王 アバジェスである。

 

そして、冥界の王 ハデスと共に最高級である上級神が存在する。

 

そして、更にそれら全ての源である混沌を管理するのが神皇の役目であった。

 

しかし、混沌を制御するなど最初から不可能なことだった・・・

 

混沌は呼んで字の如し一定に反するものなのだ。

 

混沌は自我の崩壊を意味する。

 

ましてや人間に神皇がつとまる訳がない。

 

故に歴代の神皇達は全員がその精神を蝕まれ己の意思とは別の行動を起こしてきた・・・

 

それは別の見方をすれば

 

“自分の意思で動くのではなく、誰かの思惑通りに動かされている”ということだ。

 

その思惑通りに動かしていたのが因果律を名乗り裏で活動していたエクレアだった。

 

しかし・・・厳密には因果律であろうがどんな大層な者でさえ、結局はそれらを動かしているのはこの物語の作者なのだ・・・

 

所詮、物語の中の奇跡ほど必然的で愚劣なことはないだろう・・・

 

そして、所詮はこの俺も作者のコマのひとつでしかなかった・・・

 

しかし・・・ここで本当の奇跡が起こった。

 

最強の存在である筈の俺がある者に敗れた。

 

それは、作者が創りあげた理を根本から覆したことを意味している。

 

エクレアと俺はあいつの呪縛より解き放たれた。

 

もうあいつのシナリオ通りに動く必要はない・・・

 

どうして、あいつがこんなルールを設けたのかは不明だがこれが転機である事に変わりはない・・・

 

俺という駒を失ったあいつはもはや当初の目的すら見失っている・・・

 

これより戦闘の舞台はNEUEへと移るだろう・・・

 

守りの薄いところから攻める・・・

 

あいつが好みそうな戦術だ・・・

 

〜天使達の嘲笑〜

 

「これはまた凄い事になったな・・・」

 

アバジェスは帰還してきたアルフェシオンを眺めながらそんな事を洩らした。

 

「災難だな・・・他の紋章機を修理し終えたと思った矢先がこれとはな・・・」

 

「ああ、まったくだぜ・・・ったくこれだから過去の遺産ってやつぁよぉ・・・」

 

「・・・いつまで、続けるつもりだ?」

 

「あ、何がだよ?」

 

「・・・・・・いや」

 

アバジェスはそっぽを向いてそう答えた。

 

俺が飽きるまでに決まってんじゃねぇか・・・

 

一方、皇城では連日連夜の会議が開かれていた。

 

「昨日までの被害報告は以上です」

 

無機質な声が昨日までの死者の数を告げる。

 

「・・・・・・誰も、意見はないのか?」

 

シヴァは怒りを押さえながら、部下達を見渡す。

 

しかし、誰も意見を述べようとしない・・・

 

それは、意見すらもいえないショックを受けているかなのか?

 

それとも・・・?

 

「お言葉ですが、シヴァ女王陛下・・・」

 

重い腰を上げたのは初老のわりにはしっかりした体つきをしている男・・・

 

その者はジェラールの時代より使えているザレム大元帥である。

 

彼はあのレゾムの兄であり、弟の反逆行為があったのにも関わらずその責任を問われずその今の地位を守っているいわゆる”皇国の影のドン”である。

 

今は亡き、ゼウスもこのザレム大元帥派であったにも関わらず未だに俗に呼称されるザレム派はこうして存命している・・・

 

「何だ?ザレム大元帥・・・」

 

シヴァは嫌悪感を隠す事なくザレムを一瞥した。

 

それも無理はない・・・

 

シヴァが女皇になる事を最後まで拒み続けたのもこのザレム派なのだから・・・

 

そんな、彼女を守ってきたのがルフトやアバジェスなのだ。

 

「恐れながら、敵軍の戦闘機と我々の戦闘機では性能差が段違いと聞き及んでいます。」

 

そして、シヴァがザレムを嫌悪する最大の理由は他にある。

 

「何が言いたい。」

 

「最初から勝てない戦に我等同胞を差し向けるのはいかがなものかと思いましてな。」

 

「勝てない戦・・・貴様、それは本気で言ってるのか?」

 

「いくら陛下とは言え、いささか口が過ぎるのではありませぬか?」

 

言葉とは対照的にレゾムに似たその顔は研ぎ澄まされた笑みを浮かべている。

 

「何・・・」

 

「陛下は我が軍が無人機だけとお思いで?人命救助ばかりは機械には任せられませぬ故、有人機も数多くあります。」

 

「知らぬ訳ではない・・・だが、だからといってこのまま何もせぬまま、見過ごす訳にもいかぬだろう・・・」

 

「シヴァ女皇陛下・・・何を悩む必要がありましょうか・・・聞けば、ブラウドはNEUEを中心に進行していると聞きます。」

 

「ザレム大元帥・・・何が言いたい・・・」

 

シヴァはザレムが何を言いたいのかを察知し、怒気をはらめた声で問いかけた。

 

「お察しが悪い・・・NEUEを捨て置けという事で御座います。」

 

「な!?き、貴様・・・ほ、本気でそんな事を言っておるのか!?」

 

「無論、連中がEDENに攻め入ってきた時には前戦力でこれを撃退する所存で御座います。」

 

「だからNEUEを見殺しにしろと言うのか!?」

 

シヴァが恫喝するのに対してザレムはあくまで静かにされど力強く反論した。

 

「自国の民と他国の民の命・・・どちらが大切だとおっしゃるのですか!?」

 

「優先順位などつけれる問題ではなかろう!」

 

「私は自国の民であるとトランスバールに公言する覚悟があります!それに対し、あなたは自国の民をこれ以上犠牲にするとわかっていても他国の為に自国の民を回すと公表されるお覚悟がおありですか!?」

 

「ある!それに人々はお前達のような薄情なことは言いわせぬ!」

 

「夢理想論で民の命を天秤にかけるなどもはやあなたには女皇である資格がない!所詮はあの犯罪者の娘!その傲慢なところは父親譲りだ!」

 

「なっ!?・・・こ、この無礼者!」

 

レイ・桜葉の娘・・・それはシヴァにとって一つのトラウマであった・・・

 

「衛兵!この者を連行せよ!」

 

「そうやって夢を見続ければよろしい!しかし、この罪はいつか必ずあなたを裁くでしょう!」

 

この騒動は瞬く間に皇国内に広まり、中にはシヴァへの不信任案の準備に取り掛かっている者もいるという・・・

 

〜午後の緑茶〜

 

「悪かった・・・俺がこんなばっかりに・・・」

 

「いえ、タクトさんが謝る必要なんてありません!わ、悪いのは僕です・・・アルフェシオンに乗りながら何もできませんでした・・・」

 

場所はミルフィーユの部屋・・・

 

四人それぞれに好みの飲み物が用意されてるあたりは流石は桜葉姉妹といったところだろう。

 

「カズヤ君、やめて・・・二人が無事だったのならそれでいいから・・・」

 

ミルフィーさんが僕を優しい目で見てくれている・・・

 

だが、それも今の僕にとっては苦痛だった。

 

「しかし、カルマが乱入してくるとはね・・・」

 

タクトさんの目つきが険しくなる。

 

カルマといえばタクトさんにとってはレイさんと同格に位置する天敵だ。

 

「まるで戦いになりませんでした・・・星という星が無数に接近してきて・・・」

 

「星・・・あのオメガ・ノヴァというやつか・・・」

 

オメガ・ノヴァ・・・

 

周囲の星々を呼び、衝突させ、その桁違いのエネルギーを利用して大爆発を引き起こす最強の破壊魔法だ。

 

「そう言えばアルフェシオンは?」

 

「今はロキさん達が修理を行うみたいです。」

 

「修理?あの化け物が修理なんて必要とするのかな・・・」

 

「あの子は化け物なんかじゃありません!」

 

と突然、リコが怒ってきた。

 

「ち、違う違う!あいつは機械じゃなくて厳密に言えばナノマシンでできてるからさと思って・・・」

 

「ナノマシン形成とは言えど、結果的には機械を精製しているに過ぎん・・・」

 

『・・・っ!?』

 

突如、聞こえてきた声に全員が入口へと視線を移した。

 

「お兄ちゃん!」

 

そこにいたのはレイ・桜葉・・・

 

病み上がりとは思わせない軍服を纏っている。

 

例の赤い仮面はもう身につけてはいない。

 

もう隠す必要が無くなったからだろう・・・

 

“既に死神のメシアが名乗り出た今では・・・”

 

「・・・ったく、いつからそこにいたんだよ・・・」

 

「レイさん、体の方はもういいんですか?」

 

「ああ・・・随分と手間をかけたな。」

 

レイはカズヤに優しく笑いかける。

 

その雰囲気は今までとは違い、とても暖かさに満ちていた。

 

「お兄ちゃん、緑茶でいい?」

 

「構わん・・・」

 

しかし、ミルフィーユに対しては相変わらずぶっきらぼうではあるが・・・

 

四人の中にレイが加わった。

 

「さて・・・」

 

レイは軽く緑茶をすすると湯のみを下ろし四人を見渡し・・・

 

「俺に・・・聞きたい事はあるか?」

 

「まずは、私からいい?」

 

最初はアプリコット・桜葉・・・

 

「アルフェシオンは大丈夫なの?」

 

「ああ、あの程度でまいるあいつではない。」

 

「そう、よかったぁ〜」

 

「すいません、僕が未熟なせいで・・・」

 

「気にするな・・・それよりもあのオメガ・ノヴァから生還してきただけでも賞賛ものだ。」

 

「は、はい!あ、次は僕の番でいい?」

 

カズヤは遠慮がちに手を挙げる。

 

「何だ?」

 

「え、えっと・・・その・・・」

 

「・・・どうして、戦いを挑んだのかか?」

 

「え!?あ、あぁ!?また人の心を読みましたね!」

 

「まぁ、細かいことは気にするな・・・さてと・・・」

 

レイは宿敵であったタクトを一瞥する。

 

「・・・・・・」

 

それに対し、タクトもレイの目を見据える。

 

今でこそ一緒にお茶をしているが、つい先日にはお互いの命を懸けて殺しあった宿敵同士である。

 

「俺が戦いを挑んだのは・・・“作者のつくったシナリオがそうなっていたからだ・・・”」

 

「また、作者か・・・それで?」

 

「俺やエクレアはその作者が用意したシナリオ通りにしか動けなかった・・・それを俺達は“呪縛”と認識していた。」

 

おいおい、相棒よ・・・少しネタバレし過ぎじゃねぇか?

 

「呪縛?」

 

「日頃、行動する分には全く支障はないが、奴が強制と決めた行動に対してはまったく逆らう事ができない・・・」

 

チッ・・・お前もあいつと同じ事を考えてやがるのか?

 

「作者はその事に気付かれまいと匠に誤魔化してきたが、もはやもうそれも意味を成すまい・・・」

 

まぁ、いいさ・・・

 

「呪縛から解放される手段はただひとつ・・・」

 

レイは目を瞑り呟いた。

 

「・・・・・・それは、全力で戦いを挑み負ける事・・・」

 

「それが・・・俺と戦った理由か?」

 

「それだけの理由ではないが・・・大方そんなところだ・・・」

 

「ちょ、ちょっと待って!じゃ、じゃあ!それだけの理由であんな事をしたの!?」

 

「悪いか?それだけの理由だ。」

 

「そんな!」

 

「しかし、俺はどうしても奴の呪縛から解放されなければならなかった・・・来る最終戦争の為に・・・」

 

『さ、最終戦争?』

 

「そうだ・・・最終戦争というよりかは第二次神界戦争と呼んだ方が戦の規模が分かり易いかもしれんがな・・・」

 

神界戦争・・・神皇とそれに反旗を翻した堕天使ルシファーとその一味が起こしたと言われる前世最大規模の戦争である。

 

「先にこれだけは教えておく、現状で最後の敵になるであろう作者を倒す事は不可能だ。」

 

「作者だから・・・か?」

 

「そうだ。せいぜい撃退するぐらいが関の山だろう・・・」

 

当たり前だ・・・

 

それにそんな事をしなくても俺は最強だからな・・・

 

「そ、そんな・・・」

 

しかし、それは心のどこかで分かっていた絶対的な掟・・・

 

作者が自らを滅ぼすような筋書きを作る訳がない・・・

 

「しかし、何もしなければこのまま排除されるだけだ・・・そして、そんな運命など受け入れる事なんてできないだろう?」

 

レイが意地悪そうに笑みを浮かべる・・・

 

オイ、相棒・・・何を企んでいやがる?

 

「ただ、そんな運命なら変えてしまえばいい・・・それは俺がこれまでのお前達の戦いを見てきて学んだ事だ。」

 

・・・・・・上等だ。

 

「現状はブラウドの方が優勢ではあるが、ブラウドの組織形態は至って単純だ。」

 

悪かったな・・・

 

「ブラウドの駒は主に四大天使と十三の旗艦達・・・そして、ローカル側を担うのは改良型ゼックイ・・・規模がデカイだけでそれ程脅威ではない・・・」

 

この野郎・・・・・・

 

「あれ?何かこの組織図って、どこかで見たような気が・・・」

 

「そうだ。かつての神皇の組織図そのままだ。」

 

「言われてみれば・・・」

 

タクトは顎に手を当てながらある事に気がついた。

 

「じゃあ、神王(じんおう)の代わりは?」

 

「おそらくはちゃんといるだろう・・・その内・・いや、既に姿を現しているかもしれんな・・・」

 

「どうしてわかるんだよ?」

 

「直感だ・・・」

 

「ちょ、直感ってお前なぁ・・・」

 

「待って下さい。普通の人ならともかく、レイさんの直感ならあながちハズレとは言えないんじゃ・・・」

 

それは、この人と本気でフライヤー勝負をした僕が断言できる事だ。

 

「う、う〜ん・・・」

 

「まぁいい・・・問題はこの流れを見ると連中はNEUEを集中的に攻撃し、壊滅させてからEDENに総攻撃をかけるつもりだろう。」

 

(一点突破・・・力押しのアイツが好みそうな事だ・・・)

 

相棒が小馬鹿にしたように口元を緩める。

 

「なら、早急に俺達がNEUEに行くまでだ。」

 

「その通りだ。しかし、それをよく思わぬ連中がいる・・・」

 

「・・・ザレム派か?」

 

「ああ、万が一俺達が出撃しようと思えばシヴァは許可を出すだろう・・・しかし、ザレム派はそれを自国よりも他国の防衛を優先させたと煽り、シヴァの座を奪おうとするだろう・・・」

 

「今は生きるか死ぬかって時なのに・・・」

 

「全くその通りだが、現状はそう都合のいい方には動いてはくれん・・・」

 

「動いてくれないなら、自分達で動かすまでの事だ。」

 

「そう思っているのなら、これ以上言う事はない。かと言って、そこまで悠長にしてられる訳でもない・・・」

 

レイは緑茶を置いてタクト達を一瞥する。

 

「ブラウドの次の狙いはアスティオというNEUE辺境の地だ・・・

 

「アスティオ・・・・・・あ、そういえば教科書で見たことがあるような・・・」

 

「そこには俺にも教えられていない“強力な力”が隠されているらしい・・・無論、俺が知らぬのだ。地元の民と言えど、知りはしない・・・知っているとすれば・・・」

 

レイの上に位置する絶対者といえば・・・

 

「あのキチガイか・・・」

 

キチガイなれど紛れも無いこの世界の創造主・・・

 

「おそらく次の戦いには奴も出現する筈だ・・・何せでしゃばりな奴だからな・・・」

 

それはこちらの台詞だ・・・

 

ただじゃすまさねぇぞ・・・

 

レイは椅子から立ち上がり去ろうとする。

 

「お、おい!」

 

「タクト・・・一つだけ答えろ。」

 

レイはタクトの方を振り返らずに問いかけた。

 

「な、なんだよ・・・」

 

「あの*戦い・・・お前はどうだった?」

 

*真・逆襲の堕天使い鮖仮

 

「は、はぁ?」

 

いきなり何を言ってるんだ?こいつは・・・

 

「あの戦いでは負けはしたが、完敗した訳ではない。互いに一勝一敗・・・まだ勝敗がついた訳ではない。」

 

「えっ・・・」

 

「つまりは俺とお前はライバルということになる。いずれ、再び勝負を申し込む・・・だから、その時までくたばりやがったら承知しねぇからな・・・」

 

「レイ・・・お前。」

 

「最後に・・・俺は楽しかったぜ。」

 

そう言うとレイは部屋から出て行った。

 

「・・・・・・」

 

あいつは楽しかった・・・

 

俺は?

 

エンジェル隊総動員で挑み、何度も叩きのめされそれでも俺はあきらめずにアイツに挑んだ。

 

白銀の天使で漆黒の堕天使に何度も何度もぶつかった・・・

 

限界を超えた臨界点でのクロスコンバット・・・

 

楽しい等と言えば不謹慎かもしれないが・・・

 

俺も楽しかったぜ・・・ライバル

 

この翌日・・・

 

シヴァ女皇よりエンジェル隊にNEUE防衛戦への応援要請が通達され・・・

 

タクトはこれを受諾し、正式にエンジェル隊はNEUEでのブラウド財閥との戦闘許可が下りた事になる。

 

そして、タクト達が出発するその三日前・・・

 

ザレム派はシヴァ女皇への不信任案を提出した。

 

ザレム派は軍隊の七割近くの関係者を抑えている・・・

 

従って、NEUEに出動できる隊はただ一つ・・・

 

エンジェル隊しかない・・・

 

しかし・・・

 

ザレム派はムーンエンジェル隊をEDEN防衛に徴収するとシヴァ女皇の許可無く公表し、ムーンエンジェル隊の出動に牽制をかけた。

 

アバジェスの勧めもあり、シヴァ女皇はこれを承諾し最前線区域にルーンエンジェル隊のみでの参入を命じた。

 

しかし、最前線ということもあり、シャイニング・スター及びパイロットのタクトとミルフィーユが同行し、ムーンエンジェル隊の指揮はカズヤがとるという異例の配置となった・・・

 

また、本人の希望によりエクレアとシリウスもタクト達と同行することになった。

 

そして、本日タクト達はEDENを出発した。

 

俺の計画通りに・・・

 

EDENに仕掛けるなら今しかない・・・

 

奴等も俺がこっちに仕掛けてくるなど予想もしていないだろう・・・

 

くっくっくっ・・・

 

チャ〜ンス到来〜♪

 

それにNEUEの方にもそれなりの切り札を置いてきてやったからな・・・

 

楽しみだ・・・

 

“アレ”の封印を解くのがどちらなのかが楽しみで仕方が無い・・・

 

そして、本日・・・

 

ブラウド財閥によるEDEN侵攻が開始した。

 

物語はいよいよ最終戦争へと突入していく・・・

 

人間の敵は神かそれとも悪魔か?

 

くっくっくっ・・・

 

そんなもん、両方に決まってるだろうが・・・

 

 

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