真

 

 

終幕

 

 

最終

 

 

 最終戦争

 

 

  〜前編〜

 

 

タクト・マイヤーズ率いる天使達は戦ってきた

 

二つの世界に生きる人間として戦い抜いてきた

 

様々な強敵達を討ち倒してここまで生き抜いてきた

 

そんな天使達の最後の戦いが始まろうとしていた。

 

トランバール本星の司令室にはシヴァやルフトもはじめとした主要人物達が集っていた。

 

「タクト、そちらの準備は整っているか?」

 

「はい!」

 

白き月の格納庫ではシャイニング・スターを主軸にして天使達が揃っていた。

 

GRA−001 シャイニング・スター

タクト・マイヤーズ&ミルフィーユ・桜葉

 

RA―000Ω、001β クロス・ハート

カズヤ・シラナミ&アプリコット・桜葉

 

GA−002β バトルマスター

蘭花・フランボワーズ

 

GA−003β イリュージョンマスター

ミント・ブラマンシュ

 

GA−004β ファイナル・トリガー

フォルテ・シュトレーン

 

GA−005β ナイチンゲール

ヴァニラ・H

 

GA−006β イグザクト・スナイパー

烏丸 ちとせ

 

GA−008 フェンリル

リョウ・桜葉(ロキ)

 

GA−009 

安部 竜二(アバジェス)

 

RA−002β デュランダル

リリィ・C・シャーベット

 

RA−003α ファースト・エイダー・カスタム

ナノナノ・プディング

 

RA−004β スペル・マスター

テキーラ・マジョラム

 

RA−005β インビシブル・トレジャー

アニス・アジート

 

 

RS−01α シリウス専用ゼックイ

シリウス・桜葉

 

レイにより大幅な強化を施された紋章機達のレリーフ(紋章)が黄金の輝きを放っている。

 

オリジンはエクレアの状態が芳しくない為に休止中である

 

そして、レイは未だに帰ってこない・・・

 

しかし、もはや泣き言を言える状況ではない

 

「タクト・・・私達はNEUEのセルダール同調して敵の動きを観察しておく、停戦交渉だとザレム派の者達がうるさいのでな。」

 

「・・・あの敵影を見て停戦交渉と言いますか・・・」

 

俺はやっぱりといった感じでため息をついた。

 

「ああ、だからもうしばらく待っておいてくれ。」

 

「了解しました。」

 

タクト達が見ている宙域の現状は目を覆いたくなるようなブラウド大艦隊の姿だった。

 

辺り一面は様々な月に囲まれていた。

 

そして、その月の中には数え切れないような敵機が潜んでいるのだろう・・・

 

宇宙最強・・・いや現世最強の大艦隊と言っても過言ではないだろう・・・

 

皇国軍も無人艦隊を展開しているとはいえ、所詮は船だ。敵の新型人型兵器ゼックイ靴鯀蠎蠅砲垢襪里砲鰐鯢埖は咎めない。

 

「いない・・・変だな」

 

しかし、どこにもそれらを束ねる立場にいる筈のラスト・ジャッジメントの姿は確認できない。

 

おかしい・・・

 

今までの戦いは大抵、敵の大将もしくは敵の指揮官が開幕前に姿を現していた筈だ・・・

 

なのに雑魚だけでの編成を組んでいる・・・

 

くっくっくっ・・・思い出さないか?

 

黒き月から白き月を守り通したあの戦いを・・・

 

*無印GALAXYANGELのラストミッション

 

気にしてどうにかなるもんでもないな・・・よし!

 

「皆、聞いてくれ・・・もうすぐ戦いが始まるのは皆も分かってる筈だ。」

 

タクトの言葉を皆は黙って聞いている。

 

「戦況から言って防衛戦になるのは確実だ。」

 

何せ敵はほぼ無限大に出撃するのだ。

 

「だからといって諦める気もないし、ザレム派が主張する停戦交渉なんかを容認するつもりもない。」

 

個人的にブラウド財閥をアイツを許す事なんてできない

 

「なら作戦はただ一つ・・・おそらくはここに来てるだろうガンチのラスト・ジャッジメントを撃墜する事だ」

 

ブラウド財閥の主力艦隊の旗艦 ラスト・ジャッジメント・・・圧倒するような外見だけでなくその火力と耐久性能も超弩級である。

 

ましてやガブリエルの戦闘機にも搭載されていたセカンドガードナーを保有している為に撃墜するのは容易ではない。

 

「皆は皇国軍と共同で防衛戦をこなしてくれ、俺達とカズヤ達はどこかに潜んでいるだろうブラウドの旗艦を探し出し撃墜する。」

 

「お待ちになって下さい!熱源反応を感知しましたわ!」

 

ミントが声を上げた次の瞬間

 

ブラウド大艦隊の月が各々が違った戦闘機を次々と展開していった。

 

推奨BGM Zガンダム 閃光の中のMS

 

「タクト!セルダール、マジーク、ピコ・・・それにジュノーから敵と交戦に入った!」

 

通信に割り込んできたシヴァの目が戦えと命じていた。

 

「全機!出撃!」

 

感傷に浸る余裕などこの戦いでは許されない。

 

エンジェル隊、最後の戦いが開幕した。

 

エンジェル隊が出撃する直前で敵へ向けて無数の発光ミサイル、サーモジャミングミサイル、クラスター式ミサイルが一斉照射された!

 

辺り一面は真っ白な空間へと代わり、ブラウドの先行部隊は20%を失うも、後続部隊が続々と出現してくる。

 

その程度の小細工で勝機が訪れるような甘い戦いではない。

 

しかし、エンジェル隊が出現しきるには十分にその役目を担えたといえるだろう。

 

「カズヤ!」

 

「はい!」

 

クロス・ハートは変形し、シャイニング・スターとドッキングした。

 

「ミルフィー!リコ!前方に一発かましてくれ!」

 

「はい!リコ!」

 

「うん!」

 

姉妹の息がぴったりと合わさり、二つのインフィニの出力ゲージが一気にMAXへと上がる!

 

もはや出し惜しみなど出来ないこの戦い!

 

三段式の超弩級のエネルギー砲が炸裂する!

 

前方の敵機が次々と薙ぎ払われ消滅していく・・・

 

しかし、月は強化型INフィールドを展開している為に全くの無傷だった。

 

「いくぞ!三人共!」

 

「はい!」

 

しかし、タクトはお構いなしで敵のど真ん中へと突っ込んでいく!

 

「どけぇぇぇーーーーーー!!」

 

タクトは目の前にはばかったゼックイの新型を真っ二つにして周囲に意識を配る!

 

「カズヤも何かを感知したら教えてくれ!」

 

「はい・・・そこだ!」

 

カズヤも序盤から無数のフライヤーをコントロールし人型タイプの数を確実に減らしていく。

 

「どけどけぇーーーー!!」

 

アニスは小型反物質弾を月に仕掛けて離脱する。

 

そして、インビシブル・トレジャーはステルス機能を用いて敵機の合間を潜り抜けては反物質弾を仕掛けていく。

 

「皆!月に爆弾を仕掛けた!近寄るんじゃねぇぞ!」

 

「先に言いなさいよ!そういう事は!」

 

ランファはゼックイ靴鬟疋薀乾鵐ローで撃墜しながら月から離れていく。

 

その10秒後、反物質弾が炸裂し月の周囲に展開していた敵機を呑み込んでいく。

 

「駄目だ!月のフィールドは俺達の武器ではどうにもならねぇ!」

 

ロキが叫んだ通り、月は無傷のままだった。

 

「何よ!それじゃ、あたし達は延々と雑魚の掃除をするっていう・・の!」

 

テキーラはカオス・シーを展開して敵の浮遊要塞ザレムド改を一網打尽にする。

 

「ぐだぐだ言ってんじゃねぇ!うおっと!?」

 

ロキは自分狙いのレーザー砲をそのトップクラスの反射神経を活かして絶妙な回避を疲労し・・・

 

「うぜぇんだよ!」

 

高威力のレールガンで敵の動力部をピンポイントで撃ち抜く!

 

「所詮は無人機・・・か」

 

一方、ロキと同じ紋章機を駆るアバジェスは一人離れの暗礁区域へと赴き、敵機を引き付ける。

 

迫り来るデブリを人間の限界点を越えた動体視力で何もないかのようにスイスイと通り抜けていく。

 

僚機なしの単独行動は常人ならば自殺行為だ・・・

 

しかし、このアバジェスは常人という器には天地がひっくり返ろうとも収まる訳がない!

 

「・・・・・・」

 

追いかけてきた何機かはデブリに接触して爆散する。

 

そして、中にはアバジェスにレーザー攻撃を仕掛けアバジェスが展開していたリフレクター板に反射され爆散した機もいる。

 

「・・・・・・無様だな」

 

神界で最も恐れられたアバジェスのカウンター・・・

 

その洗練されたカウンターはあのレイ・桜葉でさえ完全には回避できないと言い残している!

 

「しゃらくせぇぇ!」

 

シリウスは左手のデスクローで重戦艦5隻をいとも簡単に撃破し、次の標的めがけて牙を向ける。

 

「逃がすか!コラァ!!」

 

シリウスも前大戦時の狂犬ぶりを発揮している。

 

「ちとせ!リリィ!フュージョンして一気に敵機を仕留めるよ!」

 

「了解した」

 

「はい!」

 

三人の紋章機はフュージョンし、レイにより追加された新しい武器を遠慮なく披露していく。

 

辺りは一面弾幕の嵐と化す!

 

「無人艦隊も後ろから援護射撃とは空気を読んでいますのね・・・」

 

ミントもカズヤにお株を奪われたとはいえ、その華麗なフライヤー捌きを忘れた訳ではない。

 

そして、ミントもその強化された超高性能レーダーを用いて周囲の敵機へ意識を集中させる。

 

「・・・変ですわね、あのゼックイ・・・」

 

ミントは一機だけでタクトの後方へ張り付いている戦闘機を発見した。

 

「・・・タクトさん、聞こえまして?」

 

「どうした・・・っ!」

 

タクトは二機のゼックイ改を薙ぎ払いながら返答する。

 

「後方にいるゼックイ・・・さっきから・・・きゃ!?」

 

突如、ワープしてきたフライヤー4機がミントを集中攻撃に入る。

 

「ミントさん!?・・・この!」

 

レイをも越えたフライヤー使いは20km離れた先のフライヤーにミントを襲うフライヤーを撃墜しろと命令を下す。

 

カズヤのフライヤーはいとも簡単にミントに付き纏うフライヤーを撃墜した・・・しかし!

 

「こいつ!?」

 

後ろから張り付いていたゼックイは何と“右手”に虹色の剣を召還して襲い掛かってきた。

 

「まさか・・・!」

 

タクトは同じ剣で切り払うとそのゼックイと距離をとった。

 

「タクトさん・・・こいつ・・・」

 

シャイニング・スターと対峙する一見は普通のゼックイ・・・

 

「いけっ!」

 

カズヤは60機ものフライヤーをそのゼックイ?に向けて放つが・・・

 

くっくっくっ・・・

 

何とカズヤのフライヤーはそのゼックイの手前で消失したのだ。

 

「間違いない・・・お前、カルマだな!」

 

タクトはレイをも圧倒した十八番のクロスコンバットを目の前のゼックイ?に向けて展開した!

 

それに対しゼックイ?も引けをとらぬクロスコンバットを展開してタクトと距離をとった。

 

「くっくっくっ・・・嬉しいねぇ、こうしてお前達を殺す事ができるってのはよぉ・・・」

 

「生きていたのか・・・」

 

「ああ、ガブリエルの奴は俺を道連れに核爆発を巻き起こしたが俺は直前で逃げたんでな。あいつは全くの犬死だったて訳だ。アハ、アハハ・・・」

 

「犬死するのはお前だ!」

 

タクトは距離を詰めムーンサルトを描きながらゼックイ?の背後へと回り込み、斬りかかる!

 

それに対しカルマも人間を超越した条件反射で瞬時に対応していく。

 

「堕とせるか!?この死神のメシア様を!?」

 

もはやお互いに語る事などはない

 

両者共に相手を完全に消去する事しか考えてないのだからある意味当然である。

 

「いっけぇーーー!」

 

ミルフィーユは零距離でハイパーキャノンを発射し、リコはビームマシンガンで牽制する。

 

「は!舐めんじゃねぇ!!」

 

ゼックイ?の両アームから粒子状切断兼捕獲用ワイヤー通称サタンテイルが射出された。

 

「これは!」

 

タクトはシャイニング・スターのフィールドを全開にしてサタンテイルを弾いて再びクロスコンバットへと持ち込んだ。

 

タクトの疾風怒濤の猛剣戟がメシアを圧倒する。

 

「チィ!このガキャアアアア!!」

 

奇声を上げながらメシアはウェスト・キャノンでタクトを引き離す!

 

「この!」

 

カズヤがフライヤーで追撃するもまたしても直前でかき消されてしまう!

 

「ち!予定よりも早くなっちまうが・・・」

 

メシアが舌打ちをしてぼやいた次の瞬間、メシアの後方・・・つまりは敵陣の最奥地に一つの戦艦が姿を現した。

 

それはブラウド大艦隊の象徴とも言える超弩級の旗艦 ラスト・ジャッジメントである。

 

「ラスト・ジャッジメント!?」

 

「くーくっくっくっ!驚くのは主砲の矛先をみてからにしたらどうだ?」

 

その巨大な主砲はトランスバールの方へと向けられている。

 

「まさか!?」

 

「そのまさかだぜ・・・こいつはエクスキュージョン(死刑執行)って言ってな・・・」

 

メシアは仮面越しに笑いを噛み殺しながら続けた。

 

「こいつでトランスバール宙域そのものを薙ぎ払う・・・くっくっくっ!その威力は言うまでもなく最強でよぉ・・・ラスト・リヴェンジャーのジェノサイドブロウの約100倍の威力を持っているんだぜ」

 

あのジェノサイドブロウの100倍・・・

 

もはや想像の限界を超えた値である。

 

「おそらくはEDENそのものが完全に消えてなくなっちまうだろうなぁ・・・あはは!それいい、採用!」

 

「させるか!」

 

「おっと!行くのは当然この俺を倒してからだろうが!」

 

キチガイのゼックイ?がタクト達の前に立ちはだかる。

 

「くそ・・・このままじゃ・・・」

 

「・・・タクトさん!合体を解除して下さい!」

 

「どうする気だ!?」

 

「どうするも何も・・・フライヤーでラスト・ジャッジメントを破壊するのは不可能です。なら、タクトさんはラスト・ジャッジメントへ向かって下さい。」

 

「まさか単体でアイツと戦うつもりか!無茶だ!」

 

相手は仮にも創造主だ。いくら頭が悪くてもその保有している力はレイ以上だろう。

 

「大丈夫です・・・前に一度倒してますから・・・」

 

「あん?」

 

そんなのはただの強がりだと分かっている・・・

 

でも、今はそんな時じゃない。

 

「くくく・・・タクト、ここはそこの小僧の言う通りにする事を奨めるぜ?エクスキュージョンは後10分で発射しちまうぜ?」

 

「タクトさん!急いでください!」

 

「リコまで・・・分かった!」

 

言うが早いかタクトはドッキングしてラスト・ジャッジメントへ向かっていった。

 

「さて・・・オイコラ?さっき何て言ってやがった?」

 

キチガイの声に殺気が篭る。

 

僕は返事の代わりにフライヤーを飛ばす。

 

「・・・・・・馬鹿が!かき消してやるぜ!」

 

「消えない消えない!消えるもんかーーーっ!」

 

僕は心から願う。

 

そして、おそらくは彼女も願ってくれている筈だ。

 

「消えな!」

 

創造主が創造物の副産物に消去を命じる・・・

 

バチィン!!

 

「うお!?」

 

しかし、消去される筈の副産物は創造主に直撃したのだ!

 

運命の三女神の三女 フェイトが願ったのだ。

 

流石に創造主の消去は三女神といえど不可能なのであろうが、この恩恵だけでも創造主相手なら上出来であると言えるだろう。

 

その後も次々とフライヤーがゼックイ?のINフィールドを貫通してメシアに直撃する!

 

「くっ!?テメェ!?」

 

「いっけぇーーーー!!」

 

「ぐ、ぐお!?」

 

死神のメシアは回避に専念するが、レイを超えたカズヤのフライヤー捌きを回避できる程このキチガイには技量が無い。

 

「ヤ、ヤロオオオオオ!!」

 

次々と直撃するカズヤのフライヤー達

 

「フェ、フェイトオオオオオオオオオオ!!」

 

自分に直撃する理由に感づき、おぞましい雄叫びをあげるキチガイ

 

「貴方なんかに私の大切な人達は奪わせない!」

 

「ああ!その通りだ!」

 

二人の波長は見事にリンクしてレイが改良したインフィニとライフ・オブ・エピオンをフルに活用している

 

もはや、勝機は目前・・・か?

 

一方、シャイニング・スターは・・・

 

「タクトさん!もう少しです!」

 

「ああ!」

 

俺達は妨害してくるゼックイを撃墜しながらラスト・ジャッジメントの背後へと潜り込んだ。

 

「でぇやァ!!」

 

俺は即座にスレイヤー・オブ・デステニーで斬りかかる!

 

バチィン!

 

「ぐわ!?」

 

「きゃ!」

 

予想通り、虹色の剣が弾かれシャイニング・スターにその反動が返ってきた。

 

「これはガブリエルの紋章機に使われていたものと同じやつか・・・くそ!」

 

そういえばラスト・ジャッジメントはこれだけの重火器を備えながらも一向に防衛弾幕を張ってこない・・・

 

つまり、完全防御体制・・・つまりは完全遮断可能なフィールドを展開してるって事だ。

 

それでも諦める訳にはいかない・・・

 

バチィン!!

 

あの超弩級の主砲が発射されれば全てが終わってしまう・・・

 

一方、アバジェスは・・・

 

「・・・・・・」

 

相変わらず黙々と敵機を撃破していく・・・

 

相手の力を逆利用、そして誘爆を狙ったりなど・・・その技量は推測不能としか言い様がない。

 

「・・・・・・マズイな」

 

アバジェスはカズヤの方へ意識を向けそんな事を呟いた。

 

一方、そのカズヤは・・・

 

「堕ちろ!」

 

心優しいカズヤでも例外な相手は存在するそれがこのキチガイこと創造主である。

 

「ぐ、ぐ・・・!?」

 

キチガイは大人しく防御に転じてばかりなのだが・・・

 

「・・・・・・上等だ。このガキ・・・」

 

どす黒い声の後で脅威の反撃が訪れた。

 

ゼックイ?の全身のあちらこちらからサタンテイルが射出され、クロス・ハートを絡めとった。

 

「しまったっ!?」

 

カズヤはフライヤーでサタンテイルを狙撃し、消滅させるが、サタンテイルは次々に射出されてくる。

 

「ワープできない!?」

 

「この絡み付いてるものが影響してるみたいです!」

 

「くっくっくっ・・・お前の機体の情報ぐらい調べはついてるさ・・・ブラウドの技術力を侮りすぎたな!」

 

造主の機体である、エネルギー切れなど起こす筈もない・・・

 

「もうお遊びはヤメだ!この俺をコケにしてくれた礼はこいつでくれてやる!」

 

ゼックイの右手に虹色の剣が握られた!

 

「まずい!」

 

「・・・っ!」

 

アプリコットは目を瞑る。

 

「シネエエエエエエエエエエ!!」

 

「やられる!?」

 

次の瞬間!

 

僕達は・・・キチガイの機体から引き離されていた・・・

 

「・・・っ!」

 

リコが悲鳴に近い声をあげて、僕は目の前のキチガイを見る。

 

「あ、ああ・・・」

 

そこにはキチガイに突撃したGA−009の姿がった。

 

そして、コックピットに突き刺さった虹色の剣も・・・

 

「叔父さん!」

 

既にGA−009からの生体反応は無い・・・

 

「ア、                           アバジェスさん・・・」

 

目が熱くなって声は震えてる。

 

「テ、テメェ・・・よくも!」

 

そして、キチガイは既に事切れてるGA−009を真っ二つにして爆散させた!

 

「叔父さーーーん!!」

 

リコの悲痛な悲鳴に皆が気付いた。

 

タクトは全機に表示されているGA−009の反応がロストした事をシャイニング・スターから教えられた。

 

「そんな・・・アバジェス・・・嘘だろ?」

 

「叔父さん・・・そんな・・・」

 

ミルフィーユは身体を震わせて俯いたままだ。

 

「シヴァ様・・・阿部殿の反応がロストしたとの事です」

 

「そ、そんな・・・そんな・・・」

 

シヴァも顔を下げて家臣の別れに悲しんだ。

 

「・・・・・・先に行きやがって・・・馬鹿野郎が・・・」

 

ロキはパイロットスーツから煙草を取り出してふかす・・・

 

「馬鹿野郎・・・逝くのは俺の方が先だろうがよ・・・」

 

ロキは目を閉じて煙草を吸う・・・

 

そして、ラスト・ジャッジメントの方へ視線を向ける・・・

 

「活路は開いてそっちに行くから地獄で待ってろよ・・・・・・」

 

ロキの目が何かの覚悟を決めたかのように引き締まった。

 

「アバジェスさん・・・くそ・・・くそ!!」

 

僕はコックピットを殴りつけた。

 

アバジェスは何も告げずにこの世に別れを告げた。

 

アバジェス(本名阿部 竜二)

トランスバール防衛戦にて戦死・・・

 

アバジェスは最後の最後で騎士としての使命を務めたのだ。

 

「は!虫けらの妨害で仕留め損ねたが、お前も同じ所へ送ってやるぜ!」

 

「・・・・・・れ」

 

「虫けららしく無様な死に様を晒しやがれぇぇぇ!」

 

ゼックイ?の両アームから再び無数のサタンテイルが射出される!

 

「・・・・・まれ」

 

「死に腐れぇぇぇぇえええええ!!」

 

「ダマレエエエエエエーーーー!!」

 

カズヤの怒りの咆哮と共にフライヤー達が一斉にゼックイ?へ集中する!

 

「ああ!?」

 

しかし、そこは流石は創造主というべきか迫り来るフライヤー達を切り払ってやり過ごす。

 

「お前みたいな屑はここで死んでしまえーーっ!」

 

「は!いつものお優しいカズヤ君の言葉とは思えんな?オイ!」

 

キチガイも自分のフライヤーを展開してカズヤのフライヤーに対抗する。

 

「ふざけるなっ!」

 

フライヤーの扱いにおいてカズヤの右にでるものはいない。

 

「ち!?」

 

フライヤーでは勝てないと今更ながら判断したキチガイは味方の重戦艦の中に逃げ込む!

 

周りの重戦艦は一瞬で塵屑へと化す。

 

「逃がすものか!お前だけは!お前だけはああああああああああああ!!!」

 

無理な軌道修正に軋む機体を気にもせずカズヤは宿敵のキチガイを追撃する。

 

「カ、カズヤ・・・怖いのだ・・・」

 

ナノナノは豹変したカズヤをそう思った。

 

一方・・・エクスキュージョンの発射準備は着実にカウントダウンされていた・・・

 

「くそ!くそぉ!!」

 

タクトは何度もラスト・ジャッジメントが展開している強力なフィールドに斬りかかるが、その執念が成就される気配は一向に訪れない。

 

「どうして!アバジェスまで・・・なのに!どうして!奇跡は起こってくれないんだ!」

 

絶望的な状況下でタクトの言語もおかしくなってきている・・・

 

「馬鹿野郎!!」

 

その時、後方よりロキが近づいていた。

 

「お父さん!?」

 

「てんぱって、他力本願してんじゃねぇ!この間抜け!」

 

「ロキ・・・」

 

「頭を使って考えろ!フィールドってのは両面に展開されるもんだ・・・なら、相手が攻撃する際には解除しなきゃならねぇ・・・」

 

「そうか!発射の際に・・・いや、それではもう遅い!」

 

「チ!時間がねぇ!」

 

ロキは何を思ったか、ラスト・ジャッジメントの前方・・・つまりはエクスキュージョンの射線上に移動する・・・

 

「お、おい!そこにいたら巻き込まれるぞ!」

 

「巻き込まれようが何だろうが発射されたらそれで全部終わりなんだよ!だったら命懸けでもそいつを阻止しなきゃならねぇだろうが!」

 

「お、お前・・・まさか!」

 

それでロキが何をしようとしてるのかが分かった。

 

「タクトさん、お父さんは何をしようとしてるんですか?」

 

「ロキは・・・ロキは・・・ラスト・ジャッジメントに特攻しようとしてるんだ。」

 

「・・・っ!?」

 

ミルフィーユは慌てて父親の紋章機を見た。

 

「駄目!そんな事したら駄目!タクトさん!」

 

「ああ!」

 

俺はシャイニング・スターを動かそうとしたが・・・

 

「どうした!?何で動かないんだ!?」

 

「悪いな・・・あの後で少し細工させてもらった・・・」

 

「な、何だと・・・」

 

「その制限はこの紋章機の反応がロストした時に解除される・・・」

 

「お前!最初からこのつもりで!?」

 

ロキは鼻で笑うだけで答えなかった。

 

「・・・さて、もう時間がないようだな。」

 

ロキはエネルギーチャージをし始めたラスト・ジャッジメントを睨みつける。

 

「俺の命を懸けるんだ・・・大人しく潰れろよ・・・」

 

「ロキさん!」

 

「お父さん、馬鹿な真似は止めて!」

 

カズヤとアプリコットはロキに近づこうとするが・・・

 

「テメェの相手は俺だ!」

 

こんな時に限ってキチガイが立ちはだかる。

 

「どけぇーーーっ!」

 

「ふざけんな!このガキィ!!」

 

強引に突破しようとするクロス・ハートに斬りかかるキチガイ・・・

 

カズヤはそれを回避しない訳にはいかなかった・・・

 

「さて・・・行くか!」

 

フェンリルがラスト・ジャッジメントへゆっくり近づいていく・・・

 

「は!馬鹿な奴め!」

 

キチガイはロキをそう侮蔑した。

 

「ロキ殿!そのような真似、絶対に許さぬぞ!」

 

「ぐっ!うるせぇ!!」

 

フェンリルに今まで沈黙状態だったラスト・ジャッジメントの火器が火を吹き、襲いかかる!

 

ラスト・ジャッジメントのフィールドが解除された合図だ。

 

「テメェは女皇なんだろうが!レイからその役目を受け継いだんだろうが!だったら・・・うお!?」

 

コックピットの近くに高威力のレールガンが炸裂する!

 

「ははは!辿り着く前に蜂の巣になるのがオチだぜ!」

 

「ロキさん!くそ!どけよ!お前!!」

 

「行かせねぇ!って言ってるんだよ!このガキィ!」

 

あくまで立ちはだかるキチガイ!

 

「お前が女皇なら、この先のことを考えろ!まだ戦いは終わっちゃいない!アバジェスもそれを考えたからカズヤを庇い死んだ!なら俺も若い奴等の為に活路を開く!その為ならこの命投げても仕方ねぇだろ!!」

 

「ロ、ロキ殿・・・」

 

シヴァは泣いていた。

 

「へ・・・泣くなんて、意外と可愛いところあんじゃねぇかよ・・・ぐっ!ぐああ!!」

 

コックピットの中に機体の破片が入り込み、ロキの腹部に深く突き刺さる!

 

「このぉ!まだだ!!こいつのフィールドを舐めるなよ!」

 

それでもロキは突撃を止めない!

 

「うおおおおおおおおお!!!」

 

「駄目!本当に死んじゃうっ!」

 

アプリコットはひたすら願い続ける・・・

 

「ミルフィー!リコ!結局俺はいい父親じゃなかったかもしれねぇがよ!俺はお前みたいな子供を持てて幸せだったぜ!」

 

「やめてぇーーー!」

 

GA−008とラスト・ジャッジメントの距離・・・4km

 

「わ、私も!お父さんの子供で良かったよ!」

 

ミルフィーユは変えられぬ運命を悟り、くしゃくしゃの笑顔で父親に告げた。

 

「へっ!よせやい!」

 

GA−008とラスト・ジャッジメントの距離・・・2.7km

 

「カズヤ!リコは奥手で照れ屋だからよ!夜の営みもまだまだガキんちょだからよ!お前がリードしてやれよ!」

 

「は、はい・・・はい!」

 

カズヤも唇をかみ締めて泣く。

 

GA−008とラスト・ジャッジメントの距離・・・1.4km

 

「おう!タクト!お前は絶対勝てる!何たって俺様唯一の弟子なんだからよ!」

 

「な、何だよ・・・馬鹿野郎!生き残るって言ったじゃねぇかよ!」

 

タクトも涙を隠さずにトリガーを痛い程までに握り締める・・・

 

「・・・悪ぃな、俺は嘘つきなんだよ・・・エレナにすまねぇって伝えてくれ。」

 

それはロキの遺言だった・・・

 

「自分で言えよ・・・馬鹿野郎・・・」

 

「はは!そう硬い事言うなよ・・・じゃあな・・・」

 

最後にロキはタクトに対して敬礼した

 

そして、タクトも敬礼して返した。

 

「いくぜぇ!うおおおおおおおお!!!」

 

ロキの機体が黄金色に輝く!

 

「チ!そんな馬鹿な!やらせるか!」

 

堕ちないロキに焦りを感じたカルマはロキに対してフライヤーを放つが、カズヤのフライヤーがそれを阻止した。

 

「うおらあああああああああああ!!!」

 

そして、発射直前の主砲のど真ん中にフェンリルは突っ込んでいき・・・

 

ドゴオオオオオオオオン!!!!

 

凄まじい轟音と共にラスト・ジャッジメントの主砲は爆発を起こした。

 

そして、その二次作用がラスト・ジャッジメントの内部から破壊していく・・・

 

「ロキイイイイイーーーーーーーーーッ!!!」

 

タクトの悲痛な叫びが宙域に木霊する・・・

 

ロキの子供達も声を上げる事なく父の他界に悲しんだ・・・

 

ロキ(リョウ・桜葉)

ブラウドの交戦中に戦死・・・

 

「おのれ・・・このままでは済まさんぞ!」

 

死神のメシアはマジークを攻撃している別同部隊に切り札の使用を命じる・・・

 

マジークを取り囲むように禁断のミサイルが無数に配置された・・・

 

「ひ、ひひ・・ふひひ・・・まだだ、まだ地獄は始まったばかりだぜ・・・」

 

まだ、戦いはこれからである・・・

 

ラスト・ジャッジメントのあちらこちらから爆発が起こっている・・・

 

事実上、ラスト・ジャッジメントの撃墜が確定した・・

 

しかし、それはロキとアバジェスという二人おと尊い命の犠牲があった・・・

 

「ロキ・・・ちくしょう・・・ちくしょう!」

 

タクトはコックピットを殴りつけた。

 

既にロキがシャイニング・スターに細工した制限は解除されている・・・

 

「タクトさん、まだ戦いは終わってません・・・」

 

ミルフィーは顔を泣きはらしてはいるが、もう既に涙は止まっている・・・

 

強くなったと俺は素直に思った。

 

「リコ・・・泣くのは後にしよう・・・お父さんもきっと同じ事を思ってる筈だよ。」

 

「お、お姉ちゃん・・・ぐす」

 

「・・・・・・」

 

あいつ・・・あいつは・・・

 

「ほら、泣かないで・・・ね?」

 

「お姉ちゃん・・・・・・うん。」

 

アプリコットの目が決意したものに代わる。

 

「は!中むつまじい事で何よりだな・・・オイ!」

 

「貴様だけは絶対に許さん・・・」

 

タクトの声にかつてない程の殺気が篭る・・・

 

「はい・・・こいつだけは許せないです。生きている事すら許せないです」

 

そして、カズヤの目も殺意を帯びる。

 

「御託ぬかさずにさっさと来いや!コラ!」

死神のメシアは虹色の剣を構えてタクト達を迎え撃つ体勢に入る

 

「タクトさん!」

 

「いくぞ!」

 

カズヤがフライヤーでメシアの周囲にある戦艦を爆破した。

 

「あん?」

 

メシアが注意をそちらに向けた瞬間にタクトが斬りかかる!

 

「子供騙しか?コラ!」

 

「・・・っ!」

 

タクトの剣を同じ剣で受け止めたメシアは両アームより、サタンテイルを射出してシャイニング・スターの捕獲を図ろうとする・・・

 

「させるか!」

 

カズヤのフライヤーが四発メシアに炸裂し、メシアのバランスを崩し、そこにタクトが斬りかかる!

 

「チィ!!!」

 

メシアは驚異的な条件反射で回避するも完全には回避しきれずに機体の胸部をかすられてしまう。

 

タクトとカズヤのコンビネーションがメシアを圧倒する・・・

 

「あてます!」

 

「貴方だけは許せないです!」

 

更に桜葉姉妹のエネルギー砲がメシアを追撃する。

 

「ぐっ!なめんなよ!デザイア!フェイト!!」

 

メシアはそれを間一髪で回避してカウンターでフライヤーを飛ばす!

 

「遅い!」

 

「遅いだぁ!?」

 

それをカズヤのフライヤーが撃墜したのは言うまでもない・・・そして、タクトが再度接近する!

 

「堕ちろぉ!!」

 

「ちっ!」

 

メシアはかろうじてタクトの攻撃をやり過ごすがそれでも確実に押されつつあった・・・

 

その時だった・・・

 

「・・・っ!?」

 

タクトは突如、その場から離れ、メシアから距離をとった・・・

 

その直後で先程までタクトのいた場所に何らかの軌跡が描かれていた・・・

 

それはそこを何者かが斬りつけた後だった。

 

「誰だ・・・何だ・・・コレ?」

 

何だ・・・このプレッシャー・・・半端じゃない・・・レイよりもデカイぞ・・・

 

そして、タクト達の前に黒い紋章機が姿を現した。

 

「あ、あれは!?」

 

そして、その黒い紋章機には黄金の龍が描かれている。

 

「カズヤ、知ってるのか!?」

 

「はい!以前、レイさんに襲い掛かった敵です!」

 

「こいつが!?」

 

あのレイが本気で倒せなかった相手・・・

 

完全の体現者を越える超越者・・・

 

「チ!遅ぇぞ!」

 

「・・・・・・」

 

超越者は何も答えない・・・

 

「チ!まぁいい・・・お前はタクトをやれ、俺はあの生意気な小僧を捻り潰す!」

 

言うが早いかメシアはカズヤに接近する!

 

「タクトさんは、あの黒い奴を!」

 

カズヤはフライヤーの弾幕でメシアを牽制しながら距離をとる!

 

「分かった!」

 

そして、俺は超越者と対峙する。

 

ビリビリと伝わってくる・・・

 

こいつ、半端じゃない程に強い・・・

 

俺の直感が逃げろと言ってる・・・

 

奇跡が起きてもこいつには勝てないと・・・

 

しかし・・・それでも逃げる訳にはいかない

 

「うおおお!!」

 

俺は超越者との距離を詰めにかかる!

 

「レイ・桜葉を倒したと言われるその剣捌き・・・見せてもらおうか・・・」

 

超越者の機体の右手に虹色の剣が召還される。

 

「でえい!」

 

俺はかわされる事を覚悟したフェイントの初撃を放つ!回避された後で薙ぎ払う!

 

「・・・・・・ふ」

 

「・・・なっ!?」

 

事もあろうか超越者はその初撃を受け止め

 

「ふ、この私相手にフェイントとはな・・・随分と舐められたものだ。」

 

超越者は逆に俺を薙ぎ払ってきた。

 

「く!?かすった・・・!?」

 

俺は慌てて距離をとるが

 

「何・・・?」

 

しかし、超越者は追撃してこない・・・

 

「まさか、この程度の敵に負けるとは・・・アイツも随分と堕ちたものだ。」

 

遊んでいる・・・遊ばれている・・・

 

「こ、こいつ・・・」

 

こいつは俺に勝てると確信して余裕をかましている。

 

「どうした・・・来ないのか?」

 

こいつ・・・半端じゃない

 

強すぎる・・・

 

駄目だ・・・勝てる気がしない・・・

 

「ふざけるな・・・」

 

口とは裏腹に警鐘が鳴り止まない

 

レイはこんな化け物と戦って生きて帰ってこれたのか・・・待てよ・・・レイが生存できたのなら俺にだって出来る筈だ。

 

「まだ、始まったばかりだ・・・」

 

俺は再び構えて敵の出方を伺う・・・

 

相手のカウンターは強烈だ・・・

 

というよりもあのカウンターを受ければその場で終わりだと俺の直感が告げている・・・・

 

それでも、立ち向かわなければならないこの戦い!

 

「負ける訳にはいかないんだ!」

 

俺が再び超越者に接近戦を挑む!

 

「私に負ける者は大抵が同じ事を言う・・・」

 

超越者は口元を緩める・・・

 

一方、カズヤとメシアの戦いも佳境を極めていた。

 

「お前がいなければ!」

 

あの人達が犠牲になる事がなかった。

 

カズヤの鬼のようなフライヤーをメシアも脅威の機動力で上手く回避し、ウエストキャノンで反撃する!

 

「皆!普通に暮らしていけたんだ!」

 

そして、犠牲になった人達も・・・

 

「は!普通に生きるだけだと!?そんな奴はただ単に欲望の赴くままに雑草を食らい続ける動物と同じだ!」

 

「何!?」

 

メシアは虹色の剣でクロス・ハートを真っ二つにしようとするがカズヤはそれをブラックアウト(ワープ)で回避する!

 

「そして、俺にその血肉を提供するのさ!」

 

「ふざけるな!このぉ!!」

 

カズヤのフライヤーが猛威を振るうが、メシアの順応力は高いのか、いつの間にか切り払うようになってきた。

 

「ふざけてなんかいねぇよ!食物連鎖ってのをしらねぇのか!」

 

「こ、こいつ・・・!ふざけやがって!」

 

「そうか!?お前等の数が増えれば増える程に資源は減り、お前達が糞をすれば星は荒れ、お前達が俺の真似事をして何かを創り出せば枯れ、朽ち果てる!お前達のしてる事成す事全ては無意味だ。ただ単にお前達の自己満足なだけ・・・神々からすれば人生など迷惑を被るだけの三流芝居でしかない」

 

「ひ、人を何だと思ってるんですか・・・!」

 

「家畜だと思っているが違うのか?欲望のままに繁殖するんだろ?愛だ等とオブラートに包んでごまかしてヤリまくるんだろ?ははは!恥じる必要はない、それがお前達の本能なのだからな・・・」

 

「ひ、酷い・・・!あなたっていう人は!」

 

「人・・・?俺もお前も神だろうがよ?」

 

「貴方と一緒にしないで!」

 

アプリコットが発射したハイパー・ギガ・ブラスターは回避こそされたが、メシアのバランスを大きく崩した!

 

「そこ!」

 

そこにカズヤが追撃するが、メシアはそれを切り払う!

 

「は!だからお前等は俺に狩られなければならねぇんだよ!創造主様自らが狩ってやるっていうんだ・・・大人しく死ねエエエエエエエエエエエッ!!」

 

メシアは大きめのビームライフルを召還して連射する!

 

「こ、この・・・!」

 

しかし、そんな単調なものにあたるカズヤではない!

 

「その星を遊びで破壊する奴がほざくなっ!!」

 

カズヤは幾筋にも渡るビームの山を潜りぬけてはメシアに直撃するようにフライヤーをコントロールする!

 

「あ、あっはっはっはっ!全くもってその通りだな・・・本当にその通りだな!オイ!あっはっはっはっ!」

 

「こ、この野郎!!」

 

「あっはっはっはっ!もっと怒れ!俺を楽しませてくれよ!あーはっはっはっ!」

 

「コノオオオオオオ!!」

 

「俺はあの馬鹿二人の仇だぜ?悔しいんだろ?どうした?もっと爆発してみろよ、できるもんならな!あっはっはっはっ!」

 

「キサマアアアア!!!」

 

「ははは・・・ん?ほう・・・これはこれは・・・」

 

メシアが楽しそうに仮面越しに顔を歪める

 

「テキーラ・マジョラム中尉はそこにいるか・・・」

 

シヴァの低い声が全機へ送信される。

 

「戦闘中に何よ!?」

 

目の前のゼックイの集団を一掃して苛立たしそうに聞き返すテキーラ

 

「セルダールからの連絡だ・・・マジークが・・・」

 

「な、何よ・・・」

 

シヴァの声を聞いてタダならぬ雰囲気を感じたテキーラの声は急に弱々しくなる。

 

「マジークが・・・壊滅したとの事だ・・・」

 

「え・・・」

 

「そ、そんな馬鹿な!」

 

リリィはコンソールを力一杯に叩く!

 

「そんなお前達に俺からのサービスだぜ。」

 

何を思ったかメシアは皇国軍及び紋章機に向けて何かのデータを送信する・・・

 

「何だ・・・っ!?」

 

「ひっ・・・!」

 

アプリコットはそのおぞましい光景に目を閉じた。

 

そしてその映像データに入っていたのは核の業火に焼かれるマジークの姿だった。

 

「映画じゃないぜ、これはリアルタイム生放送のウルトラ高画質実況中継だ。」

 

声にならない断末魔の悲鳴を上げながら焼かれるマジークの民達・・・

 

「ははは!!焼け死ね!オラ!もっと逃げろ!逃げろ!ぎゃーはっはっはっはああああ!!」

 

「何て野郎だ!狂ってやがる!」

 

アニスもその光景は直視できずに拳を握り締めるだけだ。

 

子を庇うも子供ごと地獄の業火に焼き尽くされる母・・・

 

「ざ〜んねんでした〜♪逃げ遅れるようなガキんちょなど捨てて逃げれば良かったのによ〜ばっかじゃねぇの?うはは!あははははは!!」

 

メシアは心底楽しそうな馬鹿笑いを続ける。

 

「き、き・・・」

 

カズヤは怒りの沸点が頂点に達してまともな言葉を発せない。

 

怒りで震えた口で上手く喋れないのだ。

 

「あ、あの野郎!」

 

同じように怒り狂ったタクトもメシアの方へ向かおうとするが・・・

 

「どこへいく?」

 

目の前の超越者がタクトの前に立ちはだかる

 

「どけ!この!!」

 

「断る」

 

斬りかかるタクトを容易に捌く超越者・・・

 

「こ、こいつ・・・」

 

しかし、その圧倒的な実力の差がタクトに冷静さを取り戻させた。

 

しかし、カズヤは気が気ではいられない。

 

そんな事もお構いなしに地獄絵図の映像は強制的に再生される。

 

「うほ!このバカップルさっきまでやってたのか!こ、こいつは傑作だ!永久保存決定だなオイ!」

 

メシアは膝を狂ったように叩き狂ったように笑い続ける。

 

そして、映像は宙域へ切り替わり、それはブラウドの別動部隊が次々と核ミサイルを撃ち込む姿だった。

 

「や、止めて!もう止めて!!」

 

テキーラは血相を変えて懇願する。

 

「あはは!これは戦争なんだぜ?それになぁ・・・」

 

メシアは楽しそうに地獄映像を眺めながら

 

「こ〜んなに楽しそうな事止められる訳がないだろうがよぉ・・・お?どうやら次の映像をキャッチしたみたいだ。」

 

「・・・っ!!!!!」

 

次に切り替わった映像は焼き尽くされるマジークの主要人物達の亡骸だった・・・

 

そしてその中にはキャラウェイも入っていた・・・

 

「お!?ババアの燃え上がりが一番早いな?枯れた木が一瞬で燃え尽きるのと同じ理屈だな!オイ!こ、こいつは大傑作だぜ!」

 

「いやああああああああああああああ!!」

 

テキーラは一際凄い悲鳴をあげた。

 

「うわっはっはっはっ!ざま〜みろ〜♪この身の程知らず共が!神罰ってのが分かったか!!あっはっはっはっはっ!」

 

メシアはひたすら狂ったように笑い続けた。

 

「酷すぎる・・・こんなの酷すぎるよ・・・」

 

アプリコットは泣き続けた。

 

「こ・・・この野郎」

 

そしてカズヤの中の何かがキレた・・・

 

「コノヤロオオオオオオオオオ!!」

 

「あん?」

 

メシアは興ざめといった感じでカズヤの方へと振り返る・・・

 

「な、何だ・・・ありゃあ!?」

 

そしてメシアはクロス・ハートから発せられる黄金のオーラに驚愕した!

 

「お前みたいな屑はもっと早く殺しておけばよかった!お前みたいな屑はあああああああ!!」

 

「はぁ?創造主様相手に屑だとぉ?・・・・・・舐めてんじゃねぇぞ?このクソガキがあああ!!」

 

メシアは虹色の剣で斬りかかるがカズヤはブラックアウトも使わずにそれを回避して反撃のフライヤー達を飛ばす!

 

「地獄に堕ちろ!このクズヤロオオオオオオオオオ!!!」

 

カズヤは呪いの呪詛でも吐く様な気持ちで言い放つ!

 

「カ、カズヤ・・・」

 

タクトは豹変したカズヤに驚く。

 

「このクソガキめ!!調子に・・ぐお!?」

 

怒りの篭ったフライヤーをまたして切り払うメシア・・・しかし、何発かは被弾してしまう。

 

何分、フライヤーの数が多すぎるのだ。

 

「くたばれえええええええーーーーー!!!!!」

 

そして、フライヤーの数は勢いを増すばかりだ。

 

更にはフライヤーの威力が増し・・・

 

バキィン!!

 

遂にゼックイ?の右足を吹き飛ばしたのだ。

 

「ぐおおお!?クソガキがよくも!」

 

憤慨したメシアは再度、カズヤに斬りかかろうとする!

 

「まだ悪あがきをするのか!」

 

カズヤはドッキングを強制解除する。

 

「カズヤさん!何を!?」

 

「お前だけは許せないんだ!!!!!」

 

そして、カズヤはブレイブハート単体で突撃をかける!

 

「あぁん!?馬鹿が!真っ二つにしてやる!!!」

 

メシアは虹色の剣を高くかがげて、カズヤを迎え撃つ!

 

「無茶です!」

 

リコの制止の声が聞こえた・・・

 

でも、この気持ちだけは抑えきれない!

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

「ははは!ど真ん中ストライクだぜ!!!」

 

メシアは虹色の剣を構えて正面から突っ込んでくる

 

「ブレイブハート!頼む!俺の命をくれやる!だから!あいつを・・・あいつを!」

 

ブレイブハートの速度が増し・・・

 

それは光速を越えた・・・

 

ズドオオオッ!!!

 

「グオオオオオアアアア!!!!?」

 

メシアはその突発的な変則な動きを捉えきれずにど真ん中にブレイブハートの突撃を受け、カズヤと共に爆散しかけているラスト・ジャッジメントへと向かう・・・

 

「馬鹿が!このままではラスト・ジャッジメントの爆発に巻き込まれるだけだぞ!」

 

メシアは暴れるが、深く突き刺さったブレイブハートは微動もせず、突撃の衝撃にやられたのかゼックイ?はこれっぽっちも動かない。

 

「俺の命に代えてでも貴様を地獄に連れて行く・・・貴様だけは生かしちゃおけない!」

 

「カズヤさん!やめて!」

 

「カズヤ!止めろ!こんな事、ロキもアバジェスも望んじゃいない!何の為にあの二人が命を懸けたと思ってるんだ!」

 

「すいません・・・それでもコイツだけは今ここで倒しておかないといけないんです!」

 

「カズヤ君!やめて!お願いだから!」

 

「・・・すいません。その代わりコイツは必ず地獄に連れて行きます!」

 

「き、貴様・・・正気か!?」

 

「正気で戦争ができるかーーーっ!!」

 

「よ、よせ・・・やめろ!!!」

 

「うおおおおお!!!」

 

まさにラスト・ジャッジメントが目前に迫ったその時!

 

「・・・っ!?」

 

ブレイブハートの側に漆黒の紋章機が姿を現し、ブレイブハートを救出し・・・

 

「き、貴様!?」

 

「・・・・・・堕ちろ」

 

メシアの紋章機にトドメの蹴りを入れてその場から遠ざかる。

 

「あ、あいつ・・・」

 

「う、嘘だ!俺は・・・俺は創造主なんだぞ!!」

 

やがてラスト・ジャッジメントの炉心融解率が限界点を突破し、一気に大爆発を起こした!

 

「タ、タクトォォォオオオオオーーーーーー!!!」

 

それが死神のメシアの最後の言葉になった。

 

「チ、結界が持つか・・・」

 

ラスト・ジャッジメントの周囲に防御結界がかけられていたのか宙域全体を飲み込もうとしていた大爆発の被害は死神のメシアだけで済んだ・・・

 

 

「全く、無茶をする・・・」

 

「あ、貴方は・・・」

 

「カズヤさんの馬鹿馬鹿!!うわ〜ん!」

 

「ご、ごめん・・・ごめん・・・」

 

「もう知らないです!カズヤさんなんか!」

 

「痴話喧嘩なら生き残ってからにしろ・・・」

 

「す、すいません・・・」

 

「・・・・・・ぐす」

 

「・・・ったく」

 

カズヤを救出した漆黒の紋章機はカズヤを解放するとタクトとクロスコンバットを繰り広げる超越者の元へと向かった。

 

「・・・・・・相手を間違えるな」

 

「・・・・・・待ち飽きていたところだ。」

 

超越者はタクトと距離をとる。

 

「・・・お前!」

 

そして、タクトも深追いどころではなく遅れてきた援軍を睨みつけた。

 

「何をしていた!アバジェスもロキも死んだんだぞ!マジークの人達だって!」

 

「弁明はせん・・・それに二人が死んだのはお前達の力が足りなかったからだ。甘えるな。」

 

「貴様!」

 

タクトはレイに虹色の剣を向ける。

 

「タクトさん!止めて下さい!お兄ちゃんだって来れない理由があった筈なんです!」

 

「そんな事言ったって!」

 

甘えだって分かっていてもこいつを一発殴ってやらないと気が済まない!

 

「まぁ待て・・・レイ・桜葉・・・お前、NEUEのカオス・シーでブラウドの拠点を潰してきたのだろう・・・“奴が怒り狂ってこちらに向かっている”」

 

「騎士よ、要らぬ事を言うのは控えてもらおうか。」

 

「ふ、これは失礼したな・・・」

 

「ブラウドの拠点を潰してきた・・・だって?」

 

お、お前・・・あのブラウドを相手に・・・

 

「弁明はせん、ブラウドの拠点を潰すのに手間取ったのは俺のミスだ。この償いがこの戦いで払わせてもらう。」

 

「・・・分かったよ。」

 

「全く・・・素直じゃないわね、二人共・・・」

 

そして、シャイニング・スターの背後の突如黄金の紋章機が現れた。

 

「でも、私も遅刻かな・・・はは・・・」

 

「エ、エクレア!?どうして!?」

 

「ラスト・ジャッジメントが爆発しそうだったから、結界を張ろうと思ったんだけど先を越されちゃったわね・・・」

 

「邪魔だ。引っ込んでろ・・・」

 

「嫌よ・・・最後の戦いを見ているだけなんて私のプライドが許さないの・・・それにこれからは私の力も要る筈よ・・・」

 

「・・・・・・エクレア、お前は既に感じ取っているのか?」

 

「ええ、最終兵器とやらに乗ってこちらに向かっているわ・・・彼、NEUEを出る時は血相を変えてたみたいだけど今ではどうやら無理矢理冷静になったみたいよ・・」

 

「全く、行動がワンパターンな奴だ・・・」

 

「お前達、一体何の話をしてるんだよ?」

 

「もうすぐ、分かるわ・・・シリウス・・・“時が来たわ”・・・オリジンに来て。」

 

「・・・・・・分かった」

 

「おい!時が来たってどういう事だよ!?」

 

「直に分かるわよ・・・もうすぐそこまで来てるわよ・・・皆、“最後の敵”のお出ましよ」

 

エクレアがそう言った直後・・・

 

ラスト・ジャッジメントが爆発した場所に一機の戦闘機が姿を現した。

 

その戦闘機は至ってシンプルな造りをした白銀の紋章機・・・胴体の真ん中にはブラウドの紋章がはっきりと入っている。

 

「いや〜お見事お見事・・・よくここまで戦い抜いてこれましたね・・・」

 

「その声はガンチ・デイチル!」

 

「いかにも・・・貴方達の往生際の悪さには正直、降参したいところですね。」

 

ガンチはそう言いながらも不気味な笑みを浮かべていた。

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